NASA撤退後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 05:17 UTC 版)
2012年3月15日にESAは、ロシア連邦宇宙局(Roscosmos)との協力の下でエクソマーズ計画を推し進めると発表し、計画では2018年までにRoscosmosから提供される2機のプロトン-Mを使用して探査を実施し、2018年のローバーミッション用の火星への突入・降下・着陸モジュールがロシアから追加提供される予定だった。2016年の打ち上げには原則的に合意に達していたが、Roscosmosは次の3つの条件を定めた2012年11月の正式契約に調印を求めた。 Roscosmosは参加協力の対価として、プロトンロケットを提供する。 マーズ・トレース・ガス・オービターには、NASAの装置の代わりにロシア製の装置2台を載せる。これは元々フォボス・グルントのために開発された装置。 全ての科学的成果は、欧州宇宙機関とロシア科学アカデミーの知的財産である。 ロシアのエクソマーズ用の資金は、フォボス・グルントの損失による12億ルーブルで部分的にまかなわれ、またMars-NETとエクソマーズ計画の間で調整可能な資金は再配置された。 評論家は、ロシアの持つ専門技術はロケットの提供においては充分であるかもしれないが、現段階では、火星着陸システムの重要な部分に関わる技術を提供するには至っていないと位置づけている。 当初のESAは10億ユーロで、エクソマーズの開発を予定していたが、NASAの撤退と事業の再編の結果から、現在までの開発費に加え、恐らく数億ユーロの追加必要資金が発生している。このため2012年3月にESAの加盟国は、どのように不足分を調達するか検討するよう、機関の幹部に指示した。資金調達方法の可能性として、エクソマーズの達成を優先させるため、ESAの他の科学活動の進展を止めて、その資金をエクソマーズに回す方法が考えられる。
※この「NASA撤退後」の解説は、「エクソマーズ」の解説の一部です。
「NASA撤退後」を含む「エクソマーズ」の記事については、「エクソマーズ」の概要を参照ください。
- NASA撤退後のページへのリンク