NASAの月面基地計画
NASAによる月面基地計画
人類の技術レベルは、すでに月面基地が十分に実現可能な段階に達しています。月面ロボットの開発はすでにはじまっていますし、建設・加工は地上の技術をほぼそのまま応用できますから、いますぐ月面基地の建設をはじめることは、まったく不可能というわけではありません。アメリカの航空宇宙局(NASA)は、その実現のための綿密なプランを立てています。月面基地ならびに火星探査についてまとめたNASAのレポートによれば、NASAは3段階で月面基地の建設を進めるとしています。そのステップは、(1)ロボットによる月探査、(2)宇宙飛行士6人による基地の設営と居住用設備の拡充、(3)基地の拡充と実験・観測の開始、となっています。計画がこのとおり進めば、将来的には滞在人口100人の月面基地で月面工場の操業開始が達成できる見込みであるとされています。
「早く、安く、より良く」をめざした25年ぶりの月探査丘ルナプロスペクター」
NASAは1998年1月、25年ぶりの月探査丘ルナプロスペクター」を打ち上げました。「早く、安く、より良く」をめざした探査計画「ディスカバリー」の象徴ともいえるこの探査機は、重さ約300kg、総費用6,300万ドル。1997年秋に打ち上げられた土星探査丘カッシーニ」が、5,000人の人員、15年の歳月、約34億ドルの費用をかけてつくられたのとは対照的です。開発・設計も数人の科学者によって進められました。「ルナプロスペクター」が軽量化に成功した理由は、コンピューターを積まず、地上からの指令で操作すること、搭載する部品も最小限におさえたことだといいます。
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