NAACPとレッド・パワー運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 19:20 UTC 版)
「ネイティブ・アメリカン」の記事における「NAACPとレッド・パワー運動」の解説
ネイティヴ・アメリカンだけでは解決できなかった、人種差別の解消と人権の確保に大きな貢献をしたのは、マーティン・ルーサー・キング牧師とNAACPの協力だった 。アフロアメリカンとネイティヴ・アメリカンの要求に妥協する形で、アメリカ政府は、やむなく1954年からのBIAの部族解体方針を打ち切り、メノミニー族、ピクォート族の復活を認めた。 後年の1970年代には、[上下両院議会で「保留地の解消」や、「インディアンの自治権剥奪」など反動的な法案が、共和党と民主党保守派の賛成で可決され、AIMのみならず、全米のインディアン部族の運動団体がワシントンDCに集まり、抗議行動が行われた年となった。 この抗議行動のなかで彼らが「最大の民族的危機のひとつ」として掲げたのが、「インディアンという名称の剥奪」だった。飢えたプリマス植民地の移民たちに食糧を与えて保護し、農業を教え、生存の手段を与えた「インディアン」も、リトルビッグホーンの戦いでカスター中佐と第7騎兵隊を破った栄光ある「インディアン」も、「アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)」という名称へのすり替えによってその存在が無視され、「保留地」や「自治権」ともどもアメリカの歴史から抹消されていくという、民族浄化に対する危機である。こういった背景から同年、インディアン代表団は国連で「我々の民族名はインディアンである」と決議表明を行っている。
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