MreB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/20 04:57 UTC 版)
MreB は真核生物におけるアクチンのアナログ(祖先を異にする、もしくは進化的な関係は不明だが同じ機能を担う相似の遺伝子)だと考えられている、原核生物のタンパク質である。MreB とアクチンとの一次構造の類似性は低いが、立体構造および重合して線維を形成するという機能はきわめて類似している。 球菌でない原核生物のほとんどすべてが、細胞の形態決定を MreB に依っている。MreB は細胞膜の直下に、細胞の全長に及ぶ繊維構造からなる螺旋状のネットワークを形成する(冒頭の画像の中央を参照)。MreB はペプチドグリカン合成酵素の局在および活性に影響を与える作用と、細胞膜直下で強固な線維構造を形成して細胞の形状を支持する外向きの力を与える機能により、細胞の形態を決定している。MreB はカウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)において、細胞分裂の前に通常の螺旋状ネットワークの形態から凝縮し、分裂面の隔壁に強固な環を形成する。この機構は同細菌の非対称な隔壁形成を助けていると考えられている。MreB はまた細胞極性のあるバクテリアにおいて、極性決定にも重要な働きをしている。例えば C. crescentus では、少なくとも4種類の局在性タンパク質の位置決定の要因となっている。
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