テルモプラズマに関する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 14:46 UTC 版)
「テルモプラズマ属」の記事における「テルモプラズマに関する議論」の解説
分類は何度か変更されている。当初細胞壁を欠くことからマイコプラズマの仲間ともされ、好熱好酸マイコプラズマと呼ばれた。その後、1980年にウーズらによって古細菌の仲間ということが明らかにされた。1984年には好熱性による類推からエオサイト界(レイクらによって真核生物に近い古細菌類として定義。後のクレン古細菌)に所属したが、むしろエオサイトよりもメタン菌に近いことからすぐに古細菌界(後のユーリ古細菌)に戻された。 また、マーギュリスの細胞内共生説では、テルモプラズマが融合細胞を形成することを土台に、真核生物のホスト細胞になったと主張された。ただし真核生物の祖先については、分子生物学的な見地からユーリ古細菌ではなく、原始古細菌かクレン古細菌である可能性が高いとされており、またThermoplasmaに近縁なPicrophilusが細胞壁を持つこと、テルモプラズマ類は古細菌の中でも比較的派生的なことなどから、Thermoplasmaそのものが真核生物に進化したモデルは否定的な意見が強い(ただし真核生物の祖先がテルモプラズマ様の生物だった可能性はある)。なお、融合細胞は内部に複雑な膜系を有すこと(Yamagishi et al., 1998)や、細胞骨格の存在が示唆されている。ただし、アクチン様タンパク質についてはMreBに近く、細胞骨格は真正細菌に近いもののようである。
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