MiG-29M(フルクラムE)系列
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「MiG-29 (航空機)」の記事における「MiG-29M(フルクラムE)系列」の解説
MiG-29の兵装搭載量を増やし、各種精密誘導兵器の運用能力を付与してマルチロール機としている。 詳細は「MiG-29M (航空機)」を参照 MiG-29 «9.14» 改良型の試作機。兵装搭載量を4.500kgに増強するとともに、Kh-25/Kh-29/Kh-31A空対地ミサイルやKAB-500L/Kr誘導爆弾の運用能力を付与。レーダーはN019ルービンのまま。初飛行は1985年。当機系列は第4+世代ジェット戦闘機と定義されている。 MiG-29M «9.15» 9.12規格および9.13規格の後継機として開発された改良型。初飛行は1987年。操縦装置は四重のフライ・バイ・ワイヤ方式が採用され、コックピットの前方にはCRTを使用したグラスコックピットが採用された、IRSTは大型化され、レーダーは、新たに開発されたN010ジュークレーダーを装備。主翼は拡大され、その端後縁に丸みが入り、機体上部のLERX部分に装備されたルーバー型の補助空気取り入れ口は廃止され、機首先端部のピトー管左右に装備されているボルテックス・ジェネレーターを大きい迎角に適した形状に変更した。その他にも、翼下ハードポイントを2ヶ所追加。水平尾翼の形状も変更され、前縁にドッグトゥースが設けられた。新しく設計された新世代機であったが、ソビエト連邦の崩壊後のロシアの財政難により開発中止となった。総合的に、1990年代の戦闘機としては最も優れた能力を持つ機体であったとされている。NATOではフルクラムE(Fulcrum-E)と呼んで識別した。試作機は飛行試験用の6機と非飛行試験用の2機が生産された。 MiG-29UBM MiG-29Mに準ずる複座練習機型。生産されず。MiG-29ME(MiG-33) 9.15規格の輸出型であったが、生産されず。 MiG-29OVT 初飛行は2005年。エンジンとアビオニクスを近代化、MiG-35に搭載する推力偏向ノズルを試験装備したテストベッド機で、開発中止となった9.15規格の試作機を流用して制作された。航空ショーにおける展示飛行では、ダブルクルビット、ブーメランを筆頭にSu-30MK以上の高機動を見せた。 MiG-29M2 «9.67» 2002年に初飛行した新世代型。当機系列は第4++世代ジェット戦闘機と定義されている。なお、当機系列は複座が基本型である。この機体はMiG-29KUB/Kのベースとなり、後にMiG-35へと発展した。 MiG-29M(MiG-29M1)«9.61» MiG-29M2の単座型。MiG-29M «9.15»とは異なる。
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