Mの発言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:18 UTC 版)
「JT女性社員逆恨み殺人事件」の記事における「Mの発言」の解説
なお、宇野津光緒 (1998) が傍聴した公判で、Mは検察官から「被害者である彼女が警察に被害を届けるのは当たり前ではないか。裏切ったとは、どういうことなのか?」と質問され、自分を突き放すような口調で「私の心は歪んでいる」と述べたり、弁護人から「あなたの中には破壊的なものがありますね」と指摘されたのに対し「私の生まれ持った宿命だから、仕方がない」と返したりしていた。 同年12月4日に東京地裁(山室惠裁判長)で開かれた公判では、被告人質問が行われた。同日、弁護人から犯行動機について質問されたMは、「Aが警察に通報したことを『悪かった』と言えば殺さなかった」「直前まで(殺すか否かは)五分五分の気持ちだった」などという旨を供べ、確定的な殺意を否定したほか、陪席裁判官の補充質問に対しては、「後悔している」と述べたが、山室から「『警察に届けない』というのが約束になると、君は今でも思っているのか」「相手の女性が君に会って、『申し訳ないことをした』と言うと思ったのか」などと強い口調で質され、最終的には「警察に届け出た彼女が間違っていると思うのか」という質問に答えられなかった。その後、弁護人から精神鑑定が申請され、東京地裁はこれを認めた。 また、Mは公判中、「遺族の方に申し訳なく思っています」「今は被害者に対して申し訳ないことをしたと……思っています」と供述した一方、前件(強姦致傷事件)の経緯について「彼女にも落ち度があったんじゃないかと僕は思っています。普通、見知らぬ男から声を掛けられれば注意するのが普通だと思います。ある程度歳もいってたし、そういう判断力も欠けていたんじゃないかと思います」などの供述もしていた。東京地裁 (1999) は、後者の発言を「遺族の気持ちを逆撫でするような供述をするとともに、今でも被害者の方が間違っていたと思っている旨の言語道断ともいうべき責任転嫁の供述をしている」と非難した。
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