London Underground C69 and C77 Stockとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > London Underground C69 and C77 Stockの意味・解説 

ロンドン地下鉄C69・C77形電車

(London Underground C69 and C77 Stock から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/03 15:05 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ロンドン地下鉄C69・C77形電車
C69・C77形電車
ラドブローク・グローヴ駅にて2008年8月12日撮影
基本情報
製造所 メトロ・キャメル
主要諸元
編成 6両
電気方式 直流630V 4線軌条式
最高運転速度 64 km/h
設計最高速度 72 km/h
編成定員 1272人(座席定員192人)
自重 DM 31.7t
T 20.2t
車体長 DM:16,030mm
T:14,940 mm
全幅 2,920 mm
全高 3,687 mm
歯車比 17:114
制御装置 抵抗制御
備考 サークル線ディストリクト線
ハマースミス&シティー線
テンプレートを表示

ロンドン地下鉄C69形電車(London Underground C69 Stock)は1969年にサークル線ハマースミス&シティー線用として製造されたロンドン地下鉄の電車。ロンドン地下鉄の2種類ある車両寸法のうち、大きいほうの車両群に属する。本項ではディストリクト線エッジウェア・ロード - ウィンブルドン間用として製造された同形態のC77形電車について併せて述べる。

概要

C69形電車は、バーミンガムメトロ・キャメル社(現アルストム)で、6両編成35編成が1969年から翌1970年にかけて製造され、サークル線、ハマースミス&シティー線に投入された。形式名の「C」は主要運用路線であるサークル線(Circle Line)の頭文字である。ディストリクト線には1978年からD78形電車が導入されたが、D78形が18m級の車体を採用し、エッジウェア・ロード駅 - ハイ・ストリート・ケンジントン駅間のホーム有効長を超過していたため、C69形と同じ先頭車16m、中間車15mの車体をもつC77形がこの区間用に製造された。

C69形とC77形の相違は前者の屋根が黒く塗装されていたのに対し、後者の屋根が白く塗られていた程度である。C69形とC77形はともにハマースミス車両基地に所属し、共通運用されている。1910年製造のC形電車と区別する必要がある場合以外はC69形、C77形を総称してC形電車と呼ぶことが多い。更新工事を経て2009年現在運用中だが、2013年から2016年にかけてS形電車に置き換えられる予定である。

外観

制御電動車と付随車の2両でユニットを組み、3ユニットで6両編成が構成される。制御電動車は車体長16m、付随車は15m、1両につき片側4か所の幅5フィート(約1,500mm)の両開き扉が設置されている。扉間には窓1枚があるが、すべて戸袋となっており、開閉する窓は無い。製造時はアルミ地肌の銀色だったが、更新時にロンドン地下鉄標準の赤青白の3色に塗装された。

内装

製造時はドア間に4人掛けボックスシートが通路を挟んだ両側に設けられていた。このボックスシートは仕切り板でドア部と区切られていた。この仕切りの通路状には大きな広告枠があった[1]

主要機器

制御電動車に電動発電機、蓄電池が、付随車に電動空気圧縮機が搭載されている。 冬季保温のため、車両中1つのドアだけを開閉する装置が設けられている。 ブレーキは駐車ブレーキ、保安ブレーキ、発電制動併用空気ブレーキの3重装備とされ、左手操作のワンハンドルマスコンで力行とともに制御されるが、日本の鉄道車両の様に横軸ではなく、縦軸で配置されている。

編成

制御電動車と付随車の2両1ユニット3組で6両編成が構成される。C69形の制御電動車には5501 - 5606、付随車には6501 - 6606、C77形制御電動車には5701 - 5733、付随車には6701 - 6733が付番され、下3けた同番号の車両でユニットを組む。6554-6556には集電用レールの凍結防止剤散布用防氷装置が取り付けられている。中間電動車はないため、1編成には3ケ所の運転台がある。ユニットの外側には電気連結器付密着連結器、ユニット間は棒状連結器が装備されている。サークル線での運用により片側の車輪だけが摩耗することを防ぐため、1日2本のサークル線の列車をタワー・ヒルからホワイト・チャペルに回送し、ホワイト・チャペルからハマースミス&シティー線の列車として運行することで車両の方向転換を行っている。方向転換により連結不能とならないよう、電気連結器の配列が工夫されている。

C69形のうち、5585号車は1976年3月のウェスト・ハム駅でのテロ事件で損傷したためC77形が同番号で代替新造され、5585-6585のユニットのみC69形、C77形の混結となった。

5606 - 6606には1974年に試作制御装置が搭載されてそのまま運用されていたが、部品確保が困難となったため1991年に運用を外れ、1993年に廃車されている。

ワンマン化関連工事

ワンマン運転(One Person Operation、OPO)が1984年から行われ、関連機器が設置された。

更新工事

1987年11月のキングス・クロス駅火災事故を受けた防火強化を兼ねて、1990年から1994年にかけて更新工事を受けた。5585-6585のC69形、C77形混成ユニットが試作改造車に選定されている。更新工事の際座席は4人掛けのロングシート化され、通路を拡張するとともに仕切り板も撤去されたが、扉付近のスペースが狭くなった[2]。更新工事に次項の自動放送装置が設置され、付随車に構内入換運転用簡易運転台が整備された。

自動放送装置

C形電車にはD78形電車と同様の自動放送装置が装備されている。C形電車とD78形電車が運用される各線では次のような放送が行われている。

"This is Bayswater. This is a Circle Line train, via High Street Kensington and Victoria."

"This is Goldhawk Road. This is a Hammersmith and City Line train to Barking."

"This is Wimbledon Park. This is a District Line train to Edgware Road"

2007年12月にセント・パンクラス駅の国際化とロンドン・オーバーグラウンド: London Overground)の路線再編に伴い放送内容が一部変更されたが、変更前と同じ女性の声優が起用されている。

この変更と同時に有名観光地などへの「最寄駅」を示す単語が「Alight」から「Exit」に変更されている[3]

ハマースミス駅に停車中のC77形電車。2006年撮影
C77形電車の車内。2004年1月2日撮影

脚注

  1. ^ 製造時の内装写真
  2. ^ 更新後の車内
  3. ^ London Underground C Stock at TrainWeb

参考資料


「London Underground C69 and C77 Stock」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

London Underground C69 and C77 Stockのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



London Underground C69 and C77 Stockのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのロンドン地下鉄C69・C77形電車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS