Labの利点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 06:28 UTC 版)
RGBやCMYKとは異なり、Lab色空間は人間の視覚を近似するよう設計されている。知覚的均等性を重視しており、L成分値は人間の明度の知覚と極めて近い。したがって、カラーバランス調整を正確に行うために出力曲線を a および b の成分で表現したり、コントラストの調整のためにL成分を使ったりといった利用が可能である。RGBやCMYKは人間の知覚よりも出力機器の都合が優先されており、これらの変換は編集ソフトの適切なブレンドモードの補助が必須である。 Lab色空間はコンピュータディスプレイやプリンタや人間の知覚よりも色域が広く、Lab色空間で表現したビットマップ画像は同等精度のRGBやCMYKのビットマップ画像よりもピクセル当たりのデータ量が多くなる。1990年代、コンピュータのハードウェアやソフトウェアはチャネル当たり8ビットのビットマップ画像しか格納・操作できず、RGB画像とLabの相互変換は損失の多い操作だった。現在ではチャネル当たり16ビットが当たり前となり、そのような問題は生じない。 さらに、Lab色空間内の「色」の大部分は人間の視覚の色域外であり、純粋に架空の存在である。それらの「色」は実世界では再現することができない。しかし画像編集ソフトなどに組み込まれているカラーマネジメントソフトは、そのような色であっても色域内の最も近い色に近似したり、明度・彩度・色相を変えたりできる。Dan Margulis は、このような架空の色へのアクセスは画像の操作の途中段階で必要になると主張している。
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