Internet artとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Internet artの意味・解説 

インターネットアート

(Internet art から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 03:13 UTC 版)

インターネットアート: Internet art)は、インターネットを主要な媒体とする芸術および文化的創作活動である。ネットアート(Net art)とも呼ばれる。インターネットを主な媒体として活動する芸術家をネットアーティストと呼ぶ。テーマは何でもよいが、インターネットをテーマとする作品が多い。

ビデオアートと呼ばれるものは、ビデオを媒体とした芸術活動だったが、やはり「ビデオ」に関する内容が多かった。ネットアーティストはビデオをソフトウェアアートコードに関するメタな芸術体系の構成要素の1つと考えている。すなわち、インターネットアートの媒体はハイパーテキスト・マークアップのコードの集積と考えられる。

インターネットアートのプロジェクトとは、ネットの利用が視聴/表現/参加の必要十分条件であるようなアートのプロジェクトである。インターネットアートはインターネットの純粋に技術的な構造からはみ出して行われることもあり、その場合アーティストはインターネット上の特定の社会的あるいは文化的伝統を利用する。インターネットアートは(常にではないが)しばしば対話的で参加型であり、広い意味でのマルチメディアに基づいている。
—Steve Dietz による定義(ミネアポリスウォーカー・アート・センターの元キュレーター)

形態

インターネットアートの具体的形態としては、芸術的なWebサイト、電子メールアート、芸術的インターネットソフトウェア、インターネットベースのインストレーション、オンラインビデオ/オーディオ/ラジオ、ネットワーク上のパフォーマンス、オフラインのパフォーマンスなどがある。芸術運動としてのインターネットアートはメディアアートの一部である。インターネットのサブジャンルとして、ソフトウェアアートジェネレーティブアート、ブラウザアート、ウェブアート、スパムアートなどがある。

「インターネットアート」や「ネットアート」以外にも「インターネットベース・アート」「net.art」、「Webアート」などとも呼ばれる。今のところ、どれが支配的と言える段階ではない。net.art という用語は1994年から1999年にかけて活動していた特定のアーティストグループを指すこともあり、その中には Vuk Ćosić、Jodi、Alexei Shulgin、Fred Forest、Olia Lialina、Valéry Grancher、Heath Bunting らが含まれる。もちろん、当時から他のアーティストが大勢活動していた(Jim AndrewsTed Warnell、Mark Amerika、Jaromil、Superbad (Ben Benjamin)、etoy / the etoy. CORPORATION、Snarg、mez、Zuper (Michael Samyn)、G. H. Hovagimyan、Agricola de Cologne、incident.net、Frederic Madre、Eryk Salvaggio、Annie Abrahams、Marc Garrett、Ruth Catlow (Furtherfield.org)、Antiorp など)。

歴史と状況

インターネットアートは様々な芸術活動や芸術運動にルーツがある。一部のインターネットアートは特にコンセプチュアル・アートフルクサスポップアートパフォーマンスアートと関係している。インターネットアートはまた歴史的に、通常の博物館美術館とは無縁の、ヨーロッパ/日本/アメリカ合衆国の研究機関などで行われてきた技術中心の電子的アートの学際的領域と関連している。そのような例として、リンツアルス・エレクトロニカサンパウロのFILE Electronic Language International FestivalLA Freewavesによる new media film festival、Kunstradio による初期のネットワークラジオ実験、パリIRCAM(電子音楽研究センター)などがある。コンピュータとインターネットが一般化することで、安価に利用可能な技術が増え、それを利用するアーティストも増えていった。

1995年から1998年にかけて、インターネットアートは、Benjamin Weil による Adaweb(米国東海岸のアーティストらによる共同運営サイト。現在はあちこちリンクが切れている)や Simon Lamuniere による documentaX により、広く一般に認知されるようになった。ただし、これにはインターネット・バブルも大いに関係している。その後、1999年の Berkeley Art Museum Pacific Film Archive(Valéry Grancher、Ken Goldberg)、2000年の La Maison Européenne de la Photographie MEP(Valéry Grancher)などがあった。芸術家の一部はインターネットアートを他の現代芸術の形態と結びつけた。しかしながら、コンピュータネットワーク関連のアートの歴史はこれよりも古く、1980年代初期から1960年代後期まで遡ることができる。現在では、インターネット関連の芸術作品は単なる技術中心のアートよりも広がりを見せており、通常ネットワークで活動しているアーティストは一般の現代芸術や実空間と仮想空間の橋渡しという文脈で語られることを好む。例えば、以下のようなアーティストがいる。

関連項目

参考文献

  • Baumgärtel, Tilman (2001). net.art 2.0 – Neue Materialien zur Netzkunst / New Materials towards Net art. Nürnberg: Verlag für moderne Kunst. ISBN 3-933096-66-9.
  • Wilson, Stephen (2001). Information Arts: Intersections of Art, Science and Technology. Cambridge, Mass. : MIT Press. ISBN 0-262-23209-X.
  • Grau, Oliver (2003). Virtual Art: From Illusion to Immersion (Leonardo Book Series). Cambridge, Massachusetts: The MIT Press. ISBN 0-262-07241-6.
  • netartreview - ネットアートに関するポータルサイト
  • Martín Prada, Juan, Prácticas artísticas e Internet en la época de las redes sociales, Editorial AKAL, Madrid, 2012, ISBN 978-84-460-3517-6

外部リンク


「Internet art」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Internet art」の関連用語

Internet artのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Internet artのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインターネットアート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS