ITS構想まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 13:16 UTC 版)
「スターシップ (宇宙船)」の記事における「ITS構想まで」の解説
「インタープラネタリー・トランスポート・システム」および「ラプター (ロケットエンジン)」も参照 スペースXのCEOイーロン・マスクは、かねてより彼の個人的な目標は有人火星探査の実現であると語ってきた。マスクが2001年にMars Oasis計画のロケット調達に失敗して、自身でスペースXを創業した際も、「生命を惑星間種族にする」との目標が掲げられていた。有人火星探査という目標は次第に火星の植民へと変わっていき、そのためには超大型ロケットが必須であることが明らかになっていった。 2012年3月には、スターシップのロケットエンジンであるラプターの開発が報じられるが、その時点では使用するロケットについては語られなかった。同年10月になり、マスクは初めて、数十億ドルをかけて既存のファルコン9/ファルコンヘビーを上回る大型で再使用可能なロケットを開発することを計画していると明らかにした。マスクは2013年にも「スペースXのIPOはマーズ・コロニアル・トランスポーターが定期的に運航してから」というコメントを残している。しかしその後は2015年6月のファルコン9の打ち上げ失敗の影響により、計画は一時影を潜める形となった。 2016年9月の第67回国際宇宙会議 (IAC) において、マスクは開発中の超大型ロケットの詳細を始めて明らかにした。この時に公開されたアーキテクチャはインタープラネタリー・トランスポート・システム (ITS) と呼ばれており、発表では直径12mの超大型ロケットであることの他、エンジン数や打ち上げ能力、さらに軌道上での燃料補給を行うといった計画も明らかにされた。2016年の計画では、以下の3種類の機体を用いるとされた。 ITSブースター: 再使用可能な1段目。 ITS宇宙船: 再使用可能な2段目。長期に亘る惑星間飛行も実現する。 ITSタンカー: 燃料輸送に特化した2段目の別バージョン。地球軌道上での燃料補給を実現する。
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