ITR配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 16:16 UTC 版)
ITRは両末端に存在する145 bpの配列である。ITRはAAVの増殖に必要とされる。ITRはヘアピン構造をとり、この領域が複製開始点となるために、DNAプライメラーゼ無しでDNA合成を行なう事ができる(セルフプライミング)。また、ITRは野生型AAVにおける宿主細胞への遺伝子挿入や、 DNAase耐性を持ったカプシドの形成にも関与している。 遺伝子治療に用いる範囲では、ITR配列唯一のシスエレメントであり、capとrepがトランスエレメントであるように見える。しかし、ITRはウイルスの複製及びカプシド形成の過程での唯一のシスエレメントでない可能性が示唆されている。一部の研究においては、rep遺伝子の配列の中にRep依存型シスエレメント(CARE)が存在することが示されておりCAREはシスエレメントとして増殖とカプシド形成を調整するとされる。
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