Hsp70ファミリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 11:47 UTC 版)
「熱ショックタンパク質」の記事における「Hsp70ファミリー」の解説
詳細は「Hsp70」を参照 タンパク質が生体膜を透過する際にフォールディングを受けているとかさ高くなり膜の穴を通ることができなくなるためにアンフォールディングされた状態を維持する必要がある。Hsp70ファミリーは膜透過時におけるフォールディングの制御に関与しているが細胞質および核内にはHsp70/Hsc70が、小胞体内にはBiPが、ミトコンドリア内にはmtHsp70がそれぞれ存在してタンパク質の構造を維持している。また、Hsp40はHsp70のコシャペロンとして働くタンパク質として知られる。HSP70は消化管や皮膚など多くの臓器において恒常的に発現していること及び、種々のストレスによってその発現量が増加することが報告されている。また、HSP70は抗細胞死作用や抗炎症作用を持ち、アルコールや紫外線など種々のストレスに対し、細胞を保護することが報告されている。そのため、HSP70誘導剤を医薬品(胃粘膜保護薬など)や化粧品へ応用する研究が行われている。近年、皮膚におけるHSP70の働きが詳細に解析されている。具体的には、皮膚のケラチノサイトにHSP70が増えることで紫外線依存の傷害(細胞死、炎症反応、DNA傷害)が軽減することやメラノサイトにHSP70が増えることでメラニン産生が抑制されること、つまりHSP70がシミ形成を抑制することが報告されている。さらに、皮膚をお風呂で温める事で、HSP70が上昇し、シワ形成が抑制されることも明らかにされている。慶應大学ニュースリリース
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