GPLとの非互換性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/14 02:28 UTC 版)
「Common Development and Distribution License」の記事における「GPLとの非互換性」の解説
上記の通り、CDDLでライセンスされた配布物は、修正されたものに関してはCDDLを継承する必需性があるものの、組み合わせた拡大配布物に関しては、CDDLで元々配布していた部分がCDDLを満たしさえすれば、オープンソースかプロプライエタリかに関わらず、他のライセンスのファイルと組み合わせて配布することが可能である。これはプロプライエタリなコードを持つ企業が、フリーソフトである部分と、そうでない部分を明確に区別して配布する事ができるように考慮されていると考えることができるが、フリーソフトウェア財団は、このライセンスは GNU General Public License (GPL) とは非互換であるとしている。非互換は、MPLから継承したいくつかの複雑な条文に起因している。 かつてサンで働いていた Danese Cooper は、CDDL が MPL をベースとしている理由として、MPL が GPL 非互換だからだと述べた。第6回 Debian 会議で Cooper は、Solaris カーネルを書いた技術者らが OpenSolaris が GPL 非互換となるよう要求したと述べている。「Mozilla が選ばれた理由のひとつとして、GPL非互換だからというのがある。それは、OpenSolaris リリース時の設計の一部だった。[...] Solaris を書いた技術者らは [...] どうリリースすべきかという考えがあったのであって、それは尊重されるべきだ」 サンの Chief Open Source Officer である Simon Phipps は、当時これについてコメントしなかった。Phipps はCDDL策定当時を知る人物であり、Cooper を「CDDL を実際に書いた人」と紹介している。その後 2006年9月になって、Phipps は Cooper の言ったことを否定した cdrtools はかつて全てGPLでライセンスされていたが、一部をCDDLに変更したことから、非互換部分が論争の火種となった。DebianプロジェクトはビルドシステムがCDDLでライセンスされているため、それが法的に配布不可能になっていると宣言した。すなわち、GPLではソフトウェアをビルドするのに必要な全スクリプトもGPLでライセンスされることを要求しているためである。したがってcdrtoolsは著作権侵害となるようなライセンス非互換状態になっているとした。cdrtoolsのビルドシステムである smake の作者は、それが独立したプロジェクトであり、GPLv3に違反していないと主張している。
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