FPS単位系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 02:08 UTC 版)
FPS単位系(エフピーエスたんいけい、FPS system, foot–pound–second system)は、ヤード・ポンド法における単位系である。フィート(foot, feet)・(常用)ポンド((avoirdupois) pound)・秒(second)を基本単位とする[1]。FPSは各単位の頭文字を取ったものである。
ここで、フィートは長さの単位、秒は時間の単位であるが、ポンドについて質量・力・重さのいずれの単位とするかで、以下の3種類の変種がある。これはヤード・ポンド法に特有というわけではなく、メートル法においても同様である。
変種
全体的に、FPS単位系の変種は、20世紀中頃までの英語による技術書で最も一般な単位系であった[1]。
それらの単位で一貫して全ての物理的次元にラベルをつけることによって、誤りを避けることができ、単位系間の変換が楽になる。特にFPS単位系に関しては、これはストラウド・システム(Stroud system)と呼ばれている。この名前は、この方式を普及させたウィリアム・ストラウド(William Stroud)の名前を取ったものである[2]。
基本単位 | 力・長さ・時間 | 重さ・長さ・時間 | 質量・長さ・時間 |
---|---|---|---|
力 (F) | F = m⋅a = w⋅a/g | F = m⋅a/gc = w⋅a/g | F = m⋅a = w⋅a/g |
重さ (w) | w = m⋅g | w = m⋅g/gc ≈ m | w = m⋅g |
単位系 | 英国重力単位系(BG) | 英国工学単位系(EE) | 絶対英国単位系(AE) |
加速度 (a) | ft/s2 | ft/s2 | ft/s2 |
質量 (m) | slug | lbm | lb |
力 (F) | lb | lbF | pdl |
圧力 (p) | lb/in2 | PSI | pdl/ft2 |
ポンドを質量の単位とする単位系
絶対FPS単位系(absolute FPS system)または絶対英国単位系(absolute English system)は、ポンドを質量の単位として使用する、一貫性のある単位系である。この単位系は、MKS単位系(メートル・キログラム・秒)を使用している国際単位系(SI)や、初期のCGS単位系(センチメートル・グラム・秒)に類似しており、機能的に等しい。狭義の「FPS単位系」は、この単位系のことを指す。
この単位系において、力の単位はパウンダル(poundal, pdl)という組立単位である[1]。
FPS単位系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/28 02:27 UTC 版)
文脈によっては、「ポンド」という言葉を質量の単位ではなく力の単位として用いる。この場合、質量の単位には、lbf·s2/ftとして定義されるスラグ(slug)を用いる。ポンドを質量の単位として用いる場合でも、曖昧さを回避するために「質量ポンド」(pounds-mass、lbm)の語を用いることがある。 力学の単位の3つのアプローチ表・話・編・歴 基本単位力・長さ・時間重さ・長さ・時間質量・長さ・時間力 (F)F = m⋅a = w⋅a/g F = m⋅a/gc = w⋅a/g F = m⋅a = w⋅a/g 重さ (w)w = m⋅g w = m⋅g/gc ≈ m w = m⋅g 単位系BGGMEEMAECGSMTSSI加速度 (a)ft/s2 m/s2 ft/s2 m/s2 ft/s2 Gal m/s2 m/s2 質量 (m)slug slug lbm kg lb g t kg 力 (F)lb kgf lbF kgf pdl dyn sn N 圧力 (p)lb/in2 at PSI atm pdl/ft2 Ba pz Pa 英国工学単位系(EE)では、質量の単位に質量ポンド、力(重量)の単位に重量ポンドを用いる。地球上においては、1質量ポンドに働く重力は1重量ポンドにほぼ等しいので都合が良い。ただし、他の単位系のように、力の単位が質量の単位に加速度の単位を掛けた物と等しくない。つまり、ニュートンの運動の第2法則 F = m·a を書き表すのに、1以外の比例定数が必要になる。その値は、標準重力加速度 gc = 32.174049 lbm·ft/lbf·s2 である。 英国重力単位系(BG)とFPS絶対単位系(AE)は、1以外の比例定数を必要としない一貫性のある単位系である。BGはポンドを力の単位とし、質量の単位にスラグを用いる。AEはポンドを質量の単位とし、力の単位にパウンダルを用いる。
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