点と直線の距離
ユークリッド幾何学において点と直線の距離(てんとちょくせんのきょり、英: Distance from a point to a line)とは、点と直線上の任意の点の距離で最短になるものをいう。点と直線を結ぶ線分で点と直線の距離に等しい長さをもつものは、与えられた直線と直交する性質がある。点と直線の距離を計算する公式は、いくつかの方法によって導出できる。
点と直線の間の最短距離を知ることは様々な場面において有益である。例えば、道路までの最短距離が分かったり、グラフ上の値のちらばりを定量化したりなどである。線形曲線回帰の一種であるデミング回帰では、独立変数と従属変数が等しい分散を持つ場合には、近似曲線と各データ点の距離によって近似の精度が測定される直交回帰に帰着される。
デカルト座標における距離
方程式で定義された直線
ax + by + c = 0の形の方程式により平面上の直線が与えられた場合(但し a, b, c は実数の定数で a, b は非零である)、点 (x0, y0) と直線の距離は
幾何学的証明の概念図 この証明も、直線が軸に水平または垂直でない場合にのみ成り立つ[5]。
点P(x0, y0)からAx + By + C =0で表される直線に垂線を下ろし、垂線の足を点Rとする。また点Pからy軸に平行な直線を引き、それと元の直線の交点を点Sとする。次に、直線上に点Tを任意にとり、直角三角形TVUを描く。但しTUを斜辺とし、残り2辺はそれぞれx軸、y軸に平行とする。さらにx軸に平行な辺TVの長さは|B|となるようにする(図参照)。こうすることで、直線の傾きが −A/B であるからy軸に平行な辺VUの長さは |A| となる。
ここで、∆PRSと∆TVUは相似である。なぜならば両者とも直角三角形であり、さらにPS と UV が平行で同位角が等しいからである[注釈 1]。したがって対応する辺の長さの比は等しいので、
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