幾何学的な証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 05:43 UTC 版)
この証明も、直線が軸に水平または垂直でない場合にのみ成り立つ。 点P(x0, y0)からAx + By + C =0で表される直線に垂線を下ろし、垂線の足を点Rとする。また点Pからy軸に平行な直線を引き、それと元の直線の交点を点Sとする。次に、直線上に点Tを任意にとり、直角三角形TVUを描く。但しTUを斜辺とし、残り2辺はそれぞれx軸、y軸に平行とする。さらにx軸に平行な辺TVの長さは|B|となるようにする(図参照)。こうすることで、直線の傾きが −A/B であるからy軸に平行な辺VUの長さは |A| となる。 ここで、∆PRSと∆TVUは相似である。なぜならば両者とも直角三角形であり、さらにPS と UV が平行で同位角が等しいからである。したがって対応する辺の長さの比は等しいので、 | P R ¯ | | P S ¯ | = | T V ¯ | | T U ¯ | . {\displaystyle {\frac {|{\overline {PR}}|}{|{\overline {PS}}|}}={\frac {|{\overline {TV}}|}{|{\overline {TU}}|}}.} また点Sの座標を(x0,m)とすると|PS|=|y0 − m|で、点Pと直線の距離|PR|は、 | P R ¯ | = | y 0 − m | | B | A 2 + B 2 . {\displaystyle |{\overline {PR}}|={\frac {|y_{0}-m||B|}{\sqrt {A^{2}+B^{2}}}}.} ところで点Sは直線上の点だから、mの値はA, B, Cを用いて m = − A x 0 − C B , {\displaystyle m={\frac {-Ax_{0}-C}{B}},} と表せるので、これを代入すれば結局: | P R ¯ | = | A x 0 + B y 0 + C | A 2 + B 2 . {\displaystyle |{\overline {PR}}|={\frac {|Ax_{0}+By_{0}+C|}{\sqrt {A^{2}+B^{2}}}}.} なお、類似の証明として、点Vを点Pと同一の点とし、∆UVTの面積を2通りの方法で求めることにより点Pと直線の距離の公式を導く方法がある。点Vと点Pを同一の点とした時、∆UVTの面積はまず で求められる。一方で、TUを底辺と考えることで、点Pから直線におろした垂線の長さを高さとして面積を求められる。TU, VU, VTの長さは点Pの座標と直線の方程式の係数を用いて表せるので、そこから点と直線の距離の公式が導ける[要出典]。
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