DJ(ディージェイ)との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 09:10 UTC 版)
「シンセサイザー奏者」の記事における「DJ(ディージェイ)との違い」の解説
録音する音楽については2000年以降になって、パーソナル・コンピュータにソフトウェアをインストールすることで録音スタジオの環境をコンピュータの中に仮想的に再現した本格的な"DTM(デスクトップ・ミュージック)"が登場し始めた。このDTMでもソフトウェア化されたシンセサイザーを演奏したり音色を調整したりできるが、DTMは主に作曲作業と作曲した音楽の再生に用いるためか、DTMを用いてライブ演奏したとしてもその演奏者を「DTM奏者」などと呼ぶことはされない。ライブ演奏の中でDTMにあらかじめ入力したデータを使いながらシンセサイザーを演奏する演奏者ならシンセサイザー奏者と呼ぶが、他方、DTMとシンセサイザーをライブ演奏の音楽の中でふんだんに使っているのにも関わらずシンセサイザー奏者と呼ばれない演奏者もいる。 "DJ(ディージェイ)"と呼ばれる演奏者たちがそうだ。かつてレコード盤に記録された音楽を再生するために語りなどで曲間を繋いで進行していったDJと同じ意味である。つまりレコード盤からCD、DTMに媒体が変ったとはいえ、記録された音楽を再生することでは同じ面を持つと言える。しかしかつてのDJと違い今日のDJはシンセサイザーやサンプリング・マシン(「サンプラー」ともいう)を使い、ライブ演奏で鍵盤を演奏する。さらに記録された音楽を再生するといっても、記録しておくのはDJがシンセサイザーを使うなどしてあらかじめ自作した短い音楽フレーズをDTMやサンプリング・マシンで鳴らしたり、CDの音楽を細切れにして再生し新しい音楽に仕立て上げる。今日のDJはすべての記録媒体を活用する演奏家である。(彼らをDJと呼ぶのには彼らが表現する音楽スタイルが記録された音楽の「再生」に始まっていることにもよるだろうが)それでも演奏にシンセサイザーを使うDJたちを「シンセサイザー奏者」とは呼ばないのには、彼らはシンセサイザーを楽曲演奏のサイド・ワークや創作のバック・グラウンドとして使うのに留まり、シンセサイザーを首尾一貫して中心的に使っていないことによるものだろう。 今日ではシンセサイザーを「楽器」として認識することが一般的であり、そのことを踏まえてシンセサイザーを縦横無尽に駆使して演奏する者を「シンセサイザー奏者」と呼ぶことが相応しいとする認識が一般的であると考えられる。
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