アクセロメーター【accelerometer】
読み方:あくせろめーたー
加速度センサー
加速度の大きさを検出するセンサーをいう。クルマの挙動やNVHの計測、運動制御、NVH制御用のセンサーとして使われる。抵抗線ひずみゲージ、半導体ゲージ、圧電素子、静電容量、差動トランス型などの多くの種類があり、おのおの対応できる周波数範囲、感度、耐振性が異なるため、試験目的に応じて選択する。例えば、圧電素子は対応できる周波数帯域は広いが、低周波での感度はよくない。操縦安定性では、定格2mm/s程度の抵抗線ひずみゲージ型が広く用いられていたが、過渡応答に対しては、通常3Hzまたは5Hzまでの結果をみるため、周波数特性が不十分になっている。直交3軸方向の計測を効率よく行うには3軸加速度計が便利である。
同義語 Gセンサー参照 加速度計、過渡応答(振動)、NVH
加速度計
速度の変化の度合い(加速度)を検出する装置、またはセンサー。加速度を錘や液柱の変位によって直接メーターで指示するもの、加速度センサーから電気的に取り出すもの、バルスなどによる進行距離から演算で求めるものなどがある。ブレーキの試験で使われる加速度計を、とくに減速度計と呼ぶ。
加速度計
(Accelerometer から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/16 00:53 UTC 版)
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加速度計(かそくどけい, 英: accelerometer)は、物体の加速度を計測する機器である。加速度センサとも呼ばれる。
小型の加速度計(加速度センサ)はMEMS技術を用いて作製される。MEMSの加速度センサの場合、質量が小さいため感度は低下するが劇的な小型化が可能になるため、自動車のエアバッグやカーナビゲーションの傾斜計、ゲームのコントローラなどに使われている。精度は測定軸を基準に仕様されるため、軸の方向を筐体の固定面(およびその加工精度)で確定しないと加速度センサが提唱する精度に意味がなくなり、特にプリント基板上に加速度センサが実装されただけの状態では計測用途に適用し難い。
原理
機械的変位測定方式
もっとも一般的な計測原理は、ばね(コイルばねや板ばね)がつながった錘(マス、質量)の、加速度が加わったときの位置変化を捉えることである。
質量m [kg] の錘に加速度a [m/s2] が加わったとき、錘に働く力F [N] は
機械式や光学式の加速度センサでは製造・調整・補修に手間がかかりコストを押し上げ、小型化や知能化にも向かないため、近年の多様な装置に使用される加速度センサには半導体式の採用が多くなっている。いずれもMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術を使ったものである[1]。
- 静電容量型
- 梁構造で支えられた微小な可動部でのわずかな位置変化を静電容量の変化として検出し、電気回路によって増幅・計測する。静電容量を検出する櫛の歯型の構造を荒い箇所と細かな箇所の2種類を作ることで、検出精度を上げている。
- ピエゾ抵抗型
- シリコン半導体の製造技術によって、表面を円環状に薄く作りダイヤフラムを形成する。中央の錘をこの薄い金属で支えることで加速度による変位を検出しやすくる。ダイヤフラムの位置変化をピエゾ抵抗素子によって検出し、電気回路によって増幅・計測する。ダイヤフラムとピエゾ抵抗素子の取り付け方を工夫することで、3軸方向での加速度検出が可能になっている。
- ガス温度分布型
- 空洞部中央で暖められ、軽くなったガスが加速度によって移動するのを、周囲の温度計測抵抗ブリッジの抵抗変化で検出し、電気回路によって増幅・計測する。即ち、他の方式では空気より重い錘をマスとしているが、本方式では逆に空気より軽いガス部分をマスとして考える。機械的な可動部分がないためMEMS工程の歩留まりが良く、結果として安価に製造可能といわれる。
検出軸数
検出軸数によって1軸・2軸・3軸のセンサがある。
3軸加速度センサ
3軸加速度センサーは、X,Y,Z軸の3方向の加速度を1デバイスで測定できるMEMSセンサの一種である。±数 [g]の範囲が測定可能である。
代表的な3軸加速度センサには以下のものがある。
- ピエゾ抵抗型3軸加速度センサ
- 静電容量型3軸加速度センサ
- 熱検知型3軸加速度センサ
メーカーとしては、以下の会社が製造している。
- IMV(日本)
- クロスボー
- 北陸電気工業
- 日立金属
- MEMSIC, Inc.(アメリカ)
- STマイクロエレクトロニクス(アメリカ)
- アナログ・デバイセズ(アメリカ)
- Bosch Sensortec(ドイツ)
- Dytran (アメリカ)
応用例
厳密な精度が要求される科学実験や地震計といった加速度の計測機器として利用される他に、歩数計や携帯電話の画面の上下方向を決めるのに使用されるなど、このセンサの用途は多岐に亘っている。
- 携帯電話 - 地球の重力加速度を計測することで携帯電話の傾きを検出し、画面が常に正しい向きで表示されるようにしている[2]。
- ゲームコントローラ - Wiiリモコン等
- ハードディスクの振動検知
- ロボットの姿勢制御等
- ドローンの姿勢制御、慣性航法等
関連する計測器
地震計・重力計・傾斜計などは加速度計の一種といえるが、用途により、精度や使用帯域、ダイナミックレンジ、安定性などの性能が特徴的である。たとえば、地震計は地震波の周期付近に感度を持たせることで、地震以外の振動(地震の周期より短い)の検出を抑えている。
出典
- ^ 西原主計編 『センシング入門』(1版) オーム社、2007年3月20日。ISBN 9784274203787。
- ^ 菊池正典 『電子デバイス』(初版) 日本実業出版社、2005年12月20日。ISBN 4534040083。
関連項目
外部リンク
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