9回表:8球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 07:56 UTC 版)
完全試合まであとアウト3つとなり、福岡ドームは異様などよめきに包まれ、巨人ファンたちは総立ちで応援していた。槙原によると「帰ってからテレビを見たが、9回表の球場の雰囲気は全然テレビからは伝わってこなかった。(完全試合達成時に)福岡ドームにいたひとはわかると思うけれども、もっと異様な、凄い雰囲気だった」と振り返っている。 河田雄祐(振ス、振ス、ボ、中飛)4球 この回が始まる前に槙原は「河田が代打起用され速球1本に的を絞るであろう」と読み、それを捕手の村田に告げた。村田は探りを入れるために「初球は変化球でどうだ」と提案したが、槙原は「まっすぐが良いコースに行けば、ヒットを打たれる気も全然しなかった。仮に変化球を打たれたら悔いが残る」として「まっすぐで行きたい」と応じ、村田は「わかった。好きにせいや」と答えた。言葉通り、初球は外角の速球を空振り。2ストライク1ボールから144km/hの速球をセンター方向へ返したが、俊足の屋鋪がこの打球に追い付き、中堅フライに倒れた。屋鋪は「難しい当たりが飛んできたらダイビングしてでも捕ってやろう」と思って守備に就いていたが、それが気負いにつながり「ちょっと力が入り、前に行き過ぎた」と後に語っている。ベンチでこのプレーを見ていた長嶋監督は「あれには冷やっとしましたね」と振り返った。 西山秀二(三ゴ)1球 初球の127km/hのスライダーを引っ張り、三塁への緩いゴロになったが、長嶋一茂が普段より浅めに守っており、アウトになった。 御船英之(フ、ボ、一邪飛)3球 1ストライク1ボールから144km/hの速球を打ち、ファウルゾーンの飛球に一塁手の落合が追い付き、完全試合を記録した。最後の1球について、村田は「マキ(槙原)の好きな球を放ってくれ、それで打たれるなら仕方がない」と思っていたという。
※この「9回表:8球」の解説は、「槙原寛己の完全試合」の解説の一部です。
「9回表:8球」を含む「槙原寛己の完全試合」の記事については、「槙原寛己の完全試合」の概要を参照ください。
- 9回表:8球のページへのリンク