5-HT2A受容体作動薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 16:44 UTC 版)
「セロトニン受容体作動薬」の記事における「5-HT2A受容体作動薬」の解説
「5-HT2A受容体作動薬(英語版)」および「セロトニン作動性幻覚剤(英語版)」も参照 シロシビン、LSD、メスカリンなどのセロトニン系幻覚剤は、5-HT2A受容体(英語版)作動薬として作用する。この受容体への作用が、幻覚作用の原因であると考えられている。これらの薬物の殆どは、他のセロトニン受容体の作動薬としても作用する。しかし全ての5-HT2A受容体作動薬が精神作用を持つ訳ではない。 25-NB(英語版)(NBOMe)シリーズは、フェネチルアミン系のセロトニン作動性向精神薬の一種であり、他のクラスのセロトニン作動性精神薬とは異なり、高度に選択的な5-HT2A受容体アゴニストとして作用する。25-NBシリーズの中で最もよく知られているものは25I-NBOMe(英語版)である。(2S,6S)-DMBMPP(英語版)は、25-NB化合物のアナログであり、現在までに同定された5-HT2A受容体の最も高選択的なアゴニストである。O-4310(英語版)(1-isopropyl-6-fluoropsilocin)は、トリプタミン誘導体で、5-HT2A受容体の高選択的アゴニストである。 25-NB系化合物のような選択的5-HT2A受容体作動薬、特にこの受容体で完全作動薬(薬物が受容体を最大限まで完全に活性化する)として振る舞うことが出来るものは、熱中症、発熱、頻脈、高血圧、クローヌス、痙攣発作、興奮、攻撃性、幻覚などのセロトニン症候群様の副作用を引き起こす可能性があり、多くの場合、死に至っている。2012年から2013年の間に、薬物の消費が増加した国では禁止措置が執られた。誤って過剰摂取してしまう場合もある。前述の薬物が強力で、選択的で、最も重要な完全作動薬(効力が高い為に極僅かな量でも極限まで活性化する)であるのとは対照的に、LSDは部分作動薬であり、これは受容体を活性化出来る限界があることを意味し、その限界は指数関数的に大量の薬物を使用しても基本的に超える事はない。5-HT2A受容体の活性化は、セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン放出薬、モノアミン酸化酵素阻害薬などの間接的なセロトニン受容体作動薬によって引き起こされるセロトニン症候群にも関与している。シプロヘプタジンやクロルプロマジンのような5-HT2A受容体阻害薬は、セロトニン症候群を逆転させ、セロトニン症候群からの回復を早める事が出来る。
※この「5-HT2A受容体作動薬」の解説は、「セロトニン受容体作動薬」の解説の一部です。
「5-HT2A受容体作動薬」を含む「セロトニン受容体作動薬」の記事については、「セロトニン受容体作動薬」の概要を参照ください。
- 5-HT2A受容体作動薬のページへのリンク