26Sプロテアソーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:04 UTC 版)
「プロテアソーム」の記事における「26Sプロテアソーム」の解説
26Sプロテアソームは、プロテアーゼ活性を有する筒状の20Sプロテアソームにその蓋(ふた)のような役割を果たす19S複合体が2つ結合したもので、「ダンベル型」と呼ばれることもある。それに対して20Sプロテアソームの両端に11S複合体がそれぞれ結合したものは「フットボール型」と呼ばれる。 20Sプロテアソーム (CP:core particle) 20Sプロテアソームはα1~7の7分子から構成されるαリングと、β1~7の7分子から構成されるβリングが、αββαの順に積み重なった筒状構造をしている。空洞になった部分はタンパク質分解の場となっており、β1、β2、β5がそれぞれトリプシン様、キモトリプシン様、ペプチジルグルタミルペプチド加水分解(PGPH)活性という異なる触媒活性を発揮する。通常20Sプロテアソーム単体の状態ではαリングが閉じており、基質が中に入ることはできない。20S proteasome分子集合には、PAC1, 2, 3, 4(Pba1, 2, 3, 4), Ump1の分子シャペロンにより、正しく形成される。 19S複合体 (RP:regulatory particle, PA700) 筒状の20Sプロテアソームの両端に結合し、蓋のような役割を果たす。19S複合体はさらにbase(基部)とlid(蓋部)に分けられる。baseは Rpt1~6とRpn1~2の計8分子のタンパク質から構成され、20Sプロテアソームのαリング開口制御、標的タンパク質のアンフォールディングに関わっている。lidはRpn3,5~9,11,12の計8分子のタンパク質から構成されており、脱ユビキチン化反応に関わっている。また、baseとlidのつなぎ目にはRpn10サブユニットがあり、蝶番(ちょうつがい)的な役割並びに標的タンパク質の認識・捕捉に関わっている。 11S複合体(PA28) 11S複合体は上記の19S複合体と同様に20Sプロテアソームの両端に結合する能力を有する8量体である。ATPase活性を有するサブユニットは含まず、短いペプチドの分解に寄与する。
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