2020年東京五輪招致における裏金関与疑惑
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「電通」の記事における「2020年東京五輪招致における裏金関与疑惑」の解説
2016年5月、英国ガーディアン紙が2020年東京五輪招致過程における裏金疑惑を報じ、その中で電通の関与を指摘した。記事によると東京五輪開催決定に関し、日本の東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会はシンガポールのコンサルタント会社、ブラック・タイディングス社の銀行口座に7月と10月の2回に分けて計200万ユーロ(約2億2000万円)を振り込んでおり、この資金が当時の国際オリンピック委員会(以下、IOC)委員であるラミーヌ・ディアック(元世界陸連会長、セネガル人)へ渡ったとされる。この口座を所有するブラック・タイディングス社のコンサルタントは、電通の子会社とされるスイス・ローザンヌのアスリートマネジメント・アンド・サービス社(Athlete Management and Services)社のコンサルタントも務めていた。 日本オリンピック委員会(以下、JOC)の調査チームによると、ブラック・タイディングス社のコンサルタントから招致委員会に対して業務の売り込みがあり、電通からも同社のコンサルタントがラミーヌ・ディアックと繋がりがあるとの情報提供を受けたことから契約に至ったが、招致委員会はこの取引が贈与にあたると認識することができたとは認められないとし、違法性はないと結論づけた。電通は、「知る範囲内の実績を伝えただけであり、招致委員会とブラック・タイディングス社の契約について関与していない」と述べ、アスリートマネジメント・アンド・サービス社についても出資関係を否定した。 2018年12月、電通高橋治之 らとIOCを巡るロビー活動を続けていたJOC会長竹田恆和が、東京五輪招致をめぐる贈収賄容疑でフランス検察捜査当局による捜査過程で容疑者となったため、竹田は2019年6月の任期満了に伴い、JOC会長、IOC委員、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副会長・理事のいずれも退任した。フランス検察当局が収賄容疑で取り調べているラミン・ディアクと、その息子パパマッサタ・ディアク、その他主だったIOC委員への贈与を含めたロビー活動をしていた点は、高橋治之自身も認めた。しかし竹田は、JOCとIOCを辞職後に、高橋が主導するディアクに対するロビー活動を指示したこともなく、高橋がディアクに贈った「土産」についても認識していなかったと語った。
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