2015年世界陸上競技選手権大会・女子100mとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 2015年世界陸上競技選手権大会・女子100mの意味・解説 

2015年世界陸上競技選手権大会・女子100m

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 08:25 UTC 版)

第15回世界陸上競技選手権大会
女子100m

メダル獲得者
会場北京国家体育場
開催日8月23日 予選
8月24日 準決勝、決勝
参加選手数36か国 54人
優勝記録10.76
メダリスト
   ジャマイカ
   オランダ
   アメリカ合衆国
« 2013 モスクワ2017 ロンドン »
2015年
世界陸上競技選手権大会

トラック
100m   男子   女子
200m 男子 女子
400m 男子 女子
800m 男子 女子
1500m 男子 女子
5000m 男子 女子
10000m 男子 女子
100mハードル 女子
110mハードル 男子
400mハードル 男子 女子
3000mSC 男子 女子
4×100mリレー 男子 女子
4×400mリレー 男子 女子
ロード
マラソン 男子 女子
20km競歩 男子 女子
50km競歩 男子
フィールド
走幅跳 男子 女子
三段跳 男子 女子
走高跳 男子 女子
棒高跳 男子 女子
砲丸投 男子 女子
円盤投 男子 女子
やり投 男子 女子
ハンマー投 男子 女子
混成
七種競技 女子
十種競技 男子

2015年世界陸上競技選手権大会・女子100m(2015ねんせかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい・じょし100メートル)は、2015年世界陸上競技選手権大会の種目の一つ。2015年8月23日から8月24日にかけて中華人民共和国北京市北京国家体育場で開催された[1]シェリー=アン・フレーザー=プライス前回大会の覇者として、また今季世界最高記録10秒74を保持して大会に臨んだ[2][3]

準決勝1組では、当季世界第2位で決勝進出が最も期待されていたイングリッシュ・ガードナーが決勝進出を逃すという波乱があった。2組では2大会ぶりに準決勝に進んだ福島千里が出場したが7着であり、決勝進出はならなかった[4]。3組ではダフネ・シパーズが自身の持つオランダ記録を更新する10秒83を叩き出して準決勝を突破するサプライズがあった。シパーズは世界選手権前の7月下旬にロンドンで開かれた大会で優勝した経験があったが、その大会に出場していた中で今世界選手権の決勝に出場した選手はブレッシング・オカグバレだけであり、6月上旬のパリでの大会の際は、フレーザー=プライス、ガードナー、オカグバレに惨敗している。準決勝でマークした記録により、シパーズは決勝でフレーザー=プライスの隣のレーンを獲得した。

決勝では、号砲が鳴ると「ポケット・ロケット」の異名を持つフレーザー=プライスが飛び出し、最初の3歩で明らかに他の選手より前に出ていた。シパーズは号砲への反応時間で2番目に飛び出し、ナターシャ・モリソン英語版ミシェル=リー・アイエベロニカ・キャンベル=ブラウンの後を追った。トップスピードに達すると、シパーズとトリ・ボウイが先頭集団に食らいついた[5]。シパーズはフレーザー=プライスに追いつけなかったが、10秒81で2位に入賞し、準決勝に続いてオランダ記録を更新した[6][7]

生まれが4か月差のフレーザー=プライスとウサイン・ボルトジャマイカ人選手は、対照的な100m覇者である。ボルトが最も成功した長身の男性選手の1人であるのに対して、フレーザー=プライスは最も成功した低身長の女性選手の1人である。フレーザー=プライスとボルトのコンビが100mを制したのは北京オリンピックロンドンオリンピック世界選手権では2009年2013年に続くものである。

記録

大会開幕前の各種記録は以下の通りであった[8]

世界記録  フローレンス・グリフィス=ジョイナー (USA) 10.49 アメリカ合衆国インディアナポリス 1988年7月16日
大会記録  マリオン・ジョーンズ (USA) 10.70 スペインセビリア 1999年8月28日
今季世界最高記録  シェリー=アン・フレーザー=プライス (JAM) 10.74 フランスパリ 2015年7月4日
アフリカ記録  ブレッシング・オカグバレ (NGR) 10.79 イギリスロンドン 2013年7月27日
アジア記録  李雪梅 (CHN) 10.79 中国上海 1997年10月18日
北中米カリブ記録  フローレンス・グリフィス=ジョイナー (USA) 10.49 アメリカ合衆国インディアナポリス 1988年7月16日
南米記録  アンヘラ・テノリオ英語版 (ECU) 10.99 カナダトロント 2015年7月22日
ヨーロッパ記録  クリスティーン・アーロン (FRA) 10.73  ハンガリーブダペスト 1998年8月19日
オセアニア記録  メリッサ・ブリーン (AUS) 11.11 オーストラリアキャンベラ 2014年2月9日

参加標準記録

参加標準記録[9]
11.33

日程

ラウンド
2015年8月23日 12:00 予選
2015年8月24日 19:40 準決勝
21:35 決勝

時刻は中国標準時(UTC+8)

結果

WR 世界記録 | AR エリア記録 | CR 選手権記録 | GR 大会記録 | NR 国家記録 | OR オリンピック記録 | PB 自己ベスト | SB シーズンベスト | WL 世界最高(当該シーズン中)
Q 順位による通過| q 記録による通過| w 追い風参考記録| DQ 失格

予選

通過条件:各組上位3着(Q)および記録上位3人(q[10]

風速:1組=+0.5 m/s、2組=-1.3 m/s、3組=-1.2 m/s、4組=+2.3 m/s、5組=-1.6 m/s、6組=+1.5 m/s、7組=-0.5 m/s[10]

順位 選手 国籍 記録 備考
1 1 トリ・ボウイ アメリカ合衆国 10.88 Q
1 4 シェリー=アン・フレーザー=プライス ジャマイカ 10.88w Q
3 4 マリー・ジョゼ・タ・ルー コートジボワール 10.95w Q
4 3 ミシェル=リー・アイエ トリニダード・トバゴ 10.98 Q
5 5 ダフネ・シパーズ オランダ 11.01 Q
6 1 ベロニカ・キャンベル=ブラウン ジャマイカ 11.04 Q
7 2 ブレッシング・オカグバレ ナイジェリア 11.07 Q
8 2 ナターシャ・モリソン英語版 ジャマイカ 11.08 Q
8 4 カリーナ・ホーン英語版 南アフリカ共和国 11.08w Q
10 3 イベット・ラロワ  ブルガリア 11.09 Q, SB
11 3 ミュリエル・アウレ コートジボワール 11.10 Q
12 3 エシンネ・オクパラエボ  ノルウェー 11.12 q, SB
13 6 ケリー=アン・バプティスト英語版 トリニダード・トバゴ 11.13 Q
14 7 ロサンジェラ・サントス英語版 ブラジル 11.14 Q
15 5 スモワ・ハケット英語版 トリニダード・トバゴ 11.16 Q, SB
15 7 イングリッシュ・ガードナー アメリカ合衆国 11.16 Q
17 6 ムジンガ・カンブンジ英語版 スイス 11.17 Q, NR
18 6 シェローン・シンプソン ジャマイカ 11.22 Q
19 7 福島千里  日本 11.23 Q, SB
20 2 ビクトリア・ジャブキナ英語版 カザフスタン 11.24 Q
21 1 アシャ・フィリップ英語版 イギリス 11.28 Q
21 6 韋永麗 中国 11.28 q, PB
23 5 ジャスミン・トッド英語版 アメリカ合衆国 11.29 Q
23 4 ロマナ・パパイオアヌー英語版 キプロス 11.29w q
23 4 レベッカ・ハース英語版 ドイツ 11.29w
26 6 カーミカ・ビンガム英語版 カナダ 11.30
27 3 クリスタル・エマニュエル英語版 カナダ 11.33
28 1 ジーナ・ルケンケムペル英語版 ドイツ 11.34
29 5 オレシャ・ポフ英語版  ウクライナ 11.40
30 2 ナオミ・セドニー英語版 オランダ 11.41
30 2 フェレーナ・ザイラー英語版 ドイツ 11.41
32 7 マーヤ・ミハリネッチ英語版 スロベニア 11.42
33 3 イシドラ・ヒメネス英語版  チリ 11.47
33 5 タヘシア・ハリガン=スコット英語版 イギリス領ヴァージン諸島 11.47
35 6 ナルチサ・ランダズリ英語版 エクアドル 11.48
35 7 シェニクア・ファーガソン英語版 バハマ 11.48
37 1 オリガ・サフロノワ英語版 カザフスタン 11.49
38 1 インナ・エフティモワ英語版  ブルガリア 11.50
39 4 Nediam Vargas ベネズエラ 11.51w
40 5 Kimberly Hyacinthe カナダ 11.54
41 2 メリッサ・ブリーン オーストラリア 11.61
42 7 Nataliya Pohrebnyak  ウクライナ 11.62
42 7 Andrea Purica ベネズエラ 11.62
44 3 Aziza Sbaity レバノン 11.98
45 6 Hafsatu Kamara シエラレオネ 12.13
46 5 Adriana Alves アンゴラ 12.19 PB
47 1 Valentina Meredova トルクメニスタン 12.25
48 3 Patricia Taea クック諸島 12.34 SB
49 1 リディアン・ロペス カーボベルデ 12.43 NR
50 6 Marlene Mevong 赤道ギニア 12.56
51 5 Regine Tugade グアム 12.60
52 2 Lihen Jonas ミクロネシア 13.70
2 シャーロット・ウィングフィールド マルタ DQ R162.7
4 Jamile Samuel オランダ DQ R162.7

準決勝

通過条件:各組上位2着(Q)および記録上位2人(q)[11]

風速:1組=+0.5 m/s、2組=+0.9 m/s、3組=−0.2 m/s[11]

順位 選手 国籍 記録 備考
1 1 シェリー=アン・フレーザー=プライス ジャマイカ 10.82 Q
2 3 ダフネ・シパーズ オランダ 10.83 Q, NR
3 2 トリ・ボウイ アメリカ合衆国 10.87 Q
4 1 ブレッシング・オカグバレ ナイジェリア 10.89 Q
4 3 ベロニカ・キャンベル=ブラウン ジャマイカ 10.89 Q, SB
6 2 ケリー=アン・バプティスト英語版 トリニダード・トバゴ 10.90 Q
7 2 ナターシャ・モリソン英語版 ジャマイカ 10.96 q, PB
8 3 ミシェル=リー・アイエ トリニダード・トバゴ 10.97 q, SB
9 3 ミュリエル・アウレ コートジボワール 10.98
10 1 マリー・ジョゼ・タ・ルー コートジボワール 11.04 PB
11 1 シェローン・シンプソン ジャマイカ 11.06
12 2 ロサンジェラ・サントス英語版 ブラジル 11.07
12 2 ムジンガ・カンブンジ英語版 スイス 11.07 NR
14 3 イベット・ラロワ  ブルガリア 11.13
14 1 スモワ・ハケット英語版 トリニダード・トバゴ 11.13 SB
14 1 イングリッシュ・ガードナー アメリカ合衆国 11.13
17 3 カリーナ・ホーン英語版 南アフリカ共和国 11.15
18 2 ビクトリア・ジャブキナ英語版 カザフスタン 11.19 PB
18 3 エシンネ・オクパラエボ  ノルウェー 11.19
20 1 アシャ・フィリップ英語版 イギリス 11.21
20 3 ジャスミン・トッド英語版 アメリカ合衆国 11.21
22 1 韋永麗 中国 11.27 PB
23 2 福島千里  日本 11.32
24 2 ロマナ・パパイオアヌー英語版 キプロス 11.38

決勝

決勝は21時35分に開始し、風速は-0.3 m/sであった[12]

順位 選手 国籍 記録 備考
シェリー=アン・フレーザー=プライス ジャマイカ 10.76
ダフネ・シパーズ オランダ 10.81 NR
トリ・ボウイ アメリカ合衆国 10.86
4 ベロニカ・キャンベル=ブラウン ジャマイカ 10.91
5 ミシェル=リー・アイエ トリニダード・トバゴ 10.98
6 ケリー=アン・バプティスト英語版 トリニダード・トバゴ 11.01
7 ナターシャ・モリソン英語版 ジャマイカ 11.02
8 ブレッシング・オカグバレ ナイジェリア 11.02

脚注

  1. ^ Beijing 2015: Timetable”. Beijing 2015 (2015年8月10日). 2015年8月10日閲覧。
  2. ^ Bolt and Fraser-Pryce front Jamaica's team for IAAF World Championships, Beijing 2015”. IAAF (2015年8月11日). 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。
  3. ^ Start list”. IAAF. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。
  4. ^ 女子100、福島千里は準決勝敗退 世界陸上”. 朝日新聞 (2015年8月24日). 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。
  5. ^ Sean Ingle (2015年8月24日). “Shelly-Ann Fraser-Pryce powers to third world championships 100m gold”. ガーディアン. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月25日閲覧。
  6. ^ Shelly-Ann Fraser-Pryce holds off charging Dutchwoman Dafne Schippers for World Championships 100m glory”. Daily Telegraph (2015年8月24日). 2015年8月25日閲覧。
  7. ^ World Championships 2015: Fraser-Pryce retains 100m title”. BBC Sport (2015年8月24日). 2015年8月25日閲覧。
  8. ^ Records & Lists – 100 meters”. IAAF. 2015年8月14日閲覧。
  9. ^ IAAF World Championships Beijing 2015 – Standards, IAAF, (2014), オリジナルの2015-08-26時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20150826082256/http://media.aws.iaaf.org/competitioninfo/544c7d0a-0807-4226-a85b-79928c58a097.pdf 2015年8月26日閲覧。 
  10. ^ a b Heats results”. IAAF. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。
  11. ^ a b Semifinals results”. IAAF. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。
  12. ^ Final results”. IAAF. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月26日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「2015年世界陸上競技選手権大会・女子100m」の関連用語

2015年世界陸上競技選手権大会・女子100mのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



2015年世界陸上競技選手権大会・女子100mのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの2015年世界陸上競技選手権大会・女子100m (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS