2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ_ラスベガスとは? わかりやすく解説

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2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ラスベガス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/03 13:51 UTC 版)

2015年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ ラスベガスでは、通算10回目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2015年10月17日18日アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスで行われた2015年シーズン最終戦(第8戦)について述べる。会場は、2014年シーズン第7戦の舞台と同じラスベガス・モーター・スピードウェイで、今シーズンでは2番目に標高が高い海抜1998フィートである[1]

概要

9月30日カービー・チャンブリス(アメリカ)は、ニコラス・イワノフ(フランス)とマティアス・ドルダラー(ドイツ)と共に、アメリカ西南部のモニュメント・バレー上空をフライトした[2]10月18日には、誕生日を迎えたアメリカのアルペンスキー選手のリンゼイ・ボンが同じく誕生日のチャンブリスの元を訪れ、祝いの言葉を述べた[3]

これまでの7戦でポール・ボノムハンネス・アルヒマット・ホールの3名が優勝し、加えてマルティン・ソンカ室屋義秀ピート・マクロード、マティアス・ドルダラー、カービー・チャンブリスら5名が表彰台に上った。ボノムとホールは7戦中で表彰台を逃したのはそれぞれ1度のみと好調をキープした。元レッドブル・エアレーサーで現在はレース・ディレクターを務めるスティーブ・ジョーンズは、「ギャンブラーなら“ミスター堅実”のポール・ボノムが勝つ方に賭けるだろうね。彼はレース単体ではなくチャンピオンシップを見据えている。レースに勝ちたいのはやまやまだろうが、8ポイントリードしているからプッシュし過ぎる必要はないんだ。」「マットはポールに勝てそうで勝てないことが多かったけれど[注 1]、彼も既に“ミスター堅実”を名乗ってもおかしくない。マットのフライトはとても美しいから表彰台に上るチャンスも、もちろん優勝するチャンスもある。でも、仮にマットが優勝してもポールが5位以内ならポールがチャンピオンになるし、順調に行けばポールはファイナル4まで進むだろうね。」と述べ、ボノムとホールのしのぎ合いを予測した。また、残る1つの表彰台について、チャンピオンシップには絡まないが、今シーズンファイナル4に4度進み、その内2度表彰台に乗ったマルティン・ソンカと、新しい機体を導入し今シーズン初めて2度表彰台に乗った室屋義秀に期待を寄せた。スロースタートの後、第3戦・第4戦で2連勝したものの、その後は不調続きのハンネス・アルヒについては優勝する実力があることを認めながらも、「直近3レースの成績を考えると期待はできないが、実力を取り戻せば必ず表彰台に戻ってくるだろう」と率直に述べた。[4]

ラスベガスでカジノ・ホテルを運営するMGMリゾーツは、本レースを対象とした倍率を公表した[5]

2度のトレーニング・フライトでは、パイロン・ヒットや水平違反などでペナルティを受ける選手が続出する中、ディフェンディング・チャンピオンであるナイジェル・ラムがチャンピオンシップの表彰台を狙うボノム、ホール、アルヒ、ソンカらを抑えてトラック・レコードを更新するタイムを記録した[6]

予選日は好天に恵まれたが、予選前に行われた3度目のトレーニング・フライトでは前日は西風だった風向きが東風に変わり、ラムが調子を落とし11位、48秒台をたたき出したホールを含め8人が前日のラムの記録を上回るタイムを出した[7]。予選では、日本の室屋義秀がボノムやホールら強敵を抑えて自身初の1位に輝いたが、上位5人が0.681秒差にひしめく状態となった[8]。トレーニング・フライトで好調だったラムはDNSで14位となり[8]、ラウンド・オブ・14で室屋と当たり、1.026秒差で敗れ[9]、室屋は今季3度目のファイナル4進出を果たした[10]。今季からマスタークラスに上がったフアン・ベラルデはわずか0.008秒差で敗者最速の座を逃した[9]ことを悔しがりながらも、自身の成長を実感したとのコメントを残した[11]。チャンピオンシップで表彰台に乗る可能性があったマルティン・ソンカは、ラウンド・オブ・8でパイロン・ヒットなどのミスが響き8位に終わった[10]。ファイナル4ではホールがボノムに0.364秒差で競り勝ったものの[12]、ボノムが史上初3度目のチャンピオンとなった[13]

これまでの7戦の成績上位6名が出場できるチャレンジャークラスは、それぞれ2度ずつ優勝し28ポイントを獲得した上位3名(ダニエル・リファ、ペトル・コプシュタイン、ミカエル・ブラジョー)の他、1度優勝したクリスチャン・ボルトン、ピーター・ポドランセック、フロリアン・バーガーの出場が決定した[14]。予選前日に行われた2度のトレーニング・フライトではコプシュタインが共に58秒台を記録し1位に入った[15]。フランスのミカエル・ブラジョーが優勝しチャンピオンとなった。

マスタークラス

予選


No. パイロット タイム ペナルティ
1 31 室屋義秀 48.618
2 95 マット・ホール 48.853
3 55 ポール・ボノム 48.956
4 27 ニコラス・イワノフ 49.246
5 21 マティアス・ドルダラー 49.299
6 22 ハンネス・アルヒ 49.411
7 10 カービー・チャンブリス 49.627
8 8 マルティン・ソンカ 50.361
9 99 マイケル・グーリアン 50.504
10 26 フアン・ベラルデ 50.775
11 84 ピート・マクロード 50.800 +1秒1
12 12 フランソワ・ルボット 51.764
13 91 ピーター・ベゼネイ 53.719 +4秒2
14 9 ナイジェル・ラム DNS3
  • ^1 スタートゲート進入速度超過により+1秒のペナルティ[8]
  • ^2 ゲート4及びゲート10で水平違反により+2秒×2のペナルティ[8]
  • ^3 トレーニング・フライト後の着陸時にプロペラをこすってしまった影響でスタートできず[16]

ラウンド・オブ・14

ヒート 予選1 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 予選2
1 5 マティアス・ドルダラー 48.325 49.859 フアン・ベラルデ 10
2 4 ニコラス・イワノフ 49.748 51.7711 ピート・マクロード 11
3 6 ハンネル・アルヒ 49.658 49.851 マイケル・グーリアン 9
4 3 ポール・ボノム 48.341 55.3302 フランソワ・ルボット 12
5 7 カービー・チャンブリス 52.8111 51.1071 マルティン・ソンカ 8
6 2 マット・ホール 52.2843 54.0843 ピーター・ベゼネイ 13
7 1 室屋義秀 49.112 50.138 ナイジェル・ラム 14
凡例
ラウンド・オブ・8進出
ノックアウト(敗退)
敗者の中で最速(=進出)
  • ^1 ゲート4通過時に水平違反により+2秒のペナルティ[9]
  • ^2 ゲート4でパイロン・ヒットにより+3秒、ゲート5通過時に水平違反により+2秒のペナルティ[9]
  • ^3 ゲート5でパイロン・ヒットにより+3秒のペナルティ[9]

ラウンド・オブ・8

ヒート 予選1 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 予選2
8 4 ニコラス・イワノフ 51.0951 50.3461 マティアス・ドルダラー 5
9 3 ポール・ボノム 49.175 49.308 ハンネス・アルヒ 6
10 2 マット・ホール 49.955 53.1632 マルティン・ソンカ 8
11 1 室屋義秀 48.817 50.211 マイケル・グーリアン 9
凡例
ファイナル4進出
ノックアウト(敗退)
  • ^1 ゲート10通過時に水平違反により+2秒のペナルティ[10]
  • ^2 ゲート5でパイロン・ヒットにより+3秒、ゲート10通過時に水平違反により+2秒のペナルティ[10]

ファイナル4


No. パイロット タイム ペナルティ
1 95 マット・ホール[13] 48.604
2 55 ポール・ボノム 48.968
3 21 マティアス・ドルダラー 49.358
4 31 室屋義秀 49.415

最終結果


パイロット ポイント
1 マット・ホール 12
2 ポール・ボノム 9
3 マティアス・ドルダラー 7
4 室屋義秀 5
5 ハンネス・アルヒ 4
6 マイケル・グーリアン 3
7 ニコラス・イワノフ 2
8 マルティン・ソンカ 1
9 フアン・ベラルデ 0
10 ナイジェル・ラム 0
11 ピート・マクロード 0
12 カービー・チャンブリス 0
13 ピーター・ベゼネイ 0
14 フランソワ・ルボット 0

チャレンジャークラス

予選


No. パイロット タイム ペナルティ
1 18 ペトル・コプシュタイン 1:01.208
2 17 ダニエル・リファ 1:01.416
3 11 ミカエル・ブラジョー 1:02.321
4 37 ピーター・ポドランセック 1:02.576
5 62 フロリアン・バーガー 1:03.794
6 5 クリスチャン・ボルトン DQ1
  • ^1 セーフティ・ラインをオーバーし危険飛行と見なされ失格[17]

決勝


No. パイロット タイム ペナルティ
1 11 ミカエル・ブラジョー 1:00.521
2 37 ピーター・ポドランセック 1:00.556
3 5 クリスチャン・ボルトン 1:00.920
4 18 ペトル・コプシュタイン 1:02.117
5 62 フロリアン・バーガー 1:02.255
6 17 ダニエル・リファ 1:02.459

最終ランキング

マスタークラス

パイロット トー
タル
1 ポール・ボノム 76
2 マット・ホール 71
3 ハンネス・アルヒ 34
4 マルティン・ソンカ 29
5 マティアス・ドルダラー 26
6 室屋義秀 23
7 ナイジェル・ラム 20
8 ピート・マクロード 19
9 ニコラス・イワノフ 15
10 マイケル・グーリアン 13
11 カービー・チャンブリス 9
12 ピーター・ベゼネイ 8
13 フアン・ベラルデ 0
14 フランソワ・ルボット 0

出典

脚注
  1. ^ マット・ホールがポール・ボノムを上回ったのは第3戦と第6戦のみで、ボノムが優勝した第1戦・第2戦・第5戦・第7戦で、ホールは全て2位だった。
出典
  1. ^ Final arrival of 2015 - hello again Las Vegas”. Red Bull Air Race (2015年10月15日). 2015年10月19日閲覧。
  2. ^ Pilots tour Monument Valley on their way to Las Vegas”. Red Bull Air Race (2015年9月30日). 2015年10月19日閲覧。
  3. ^ Double birthday surprise for Chambliss and Vonn”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月19日閲覧。
  4. ^ Steve Jones' Las Vegas predictions”. Red Bull Air Race (2015年10月6日). 2015年10月19日閲覧。
  5. ^ Smart money on Bonhomme for the title”. Red Bull Air Race (2015年10月17日). 2015年10月19日閲覧。
  6. ^ Lamb's Las Vegas winning streak in Training 1 & 2”. Red Bull Air Race (2015年10月17日). 2015年10月19日閲覧。
  7. ^ In their sights - final Qualifying of 2015”. Red Bull Air Race (2015年10月17日). 2015年10月19日閲覧。
  8. ^ a b c d Muroya maneouvres for race podium”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月19日閲覧。
  9. ^ a b c d e Bonhomme maintains march to World Champion podium”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月19日閲覧。
  10. ^ a b c d Third title for record-breaking Bonhomme”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月19日閲覧。
  11. ^ 第8戦ラスベガス:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月20日閲覧。
  12. ^ Decisive win in Las Vegas for Hall”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月19日閲覧。
  13. ^ a b Bonhomme, Hall and Arch make up 2015 WC podium”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月22日閲覧。
  14. ^ The Final Challenge”. Red Bull Air Race (2015年10月15日). 2015年10月19日閲覧。
  15. ^ Kopfstein lays down a pair of aces in training”. Red Bull Air Race (2015年10月16日). 2015年10月19日閲覧。
  16. ^ 第8戦ラスベガス:予選後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2016年10月4日閲覧。
  17. ^ Kopfstein retains dominance in Challenger Qualifying”. Red Bull Air Race (2015年10月17日). 2015年10月19日閲覧。

外部リンク


前レース:
第7戦 フォートワース
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ
2015年シーズン
最終戦 ラスベガス
次レース:
2016年 開幕戦 アブダビ

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