2003年のSARSアウトブレイク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:34 UTC 版)
「スーパー・スプレッダー」の記事における「2003年のSARSアウトブレイク」の解説
「SARSアウトブレイクの進行」も参照 重症急性呼吸器症候群 (SARS)の初症例は、2002年11月半ばに中国・広東省で発生した。その後2003年2月には香港でアウトブレイクが起きたが、この時SARS治療に関わっていた広東省の医師で、親族の結婚式のため香港を訪れていた人物が、発生の契機となったことが指摘されている。彼は症状があったにもかかわらず香港へ向かい、九龍にあるメトロポール・ホテル9階に宿泊して、同じ階に宿泊していた16名に二次感染を起こした。宿泊客はカナダ、シンガポール、台湾、ベトナムなどへ向かい、行き先でSARSを発症して世界的伝染を起こすことになった。 また同じアウトブレイク中に、冠動脈疾患、慢性腎臓病、II型糖尿病を患っていた54歳の男性が、SARSと診断されていた患者と接触し、その直後に発熱・咳・筋肉痛・咽頭痛などを発症した。男性はSARS感染が疑われ、冠動脈疾患を治療していた別病院へと転院した。男性はこの病院でSARSと診断されたが、その後わずか2日間の間に33人へ感染を広げていたことが発覚する。彼は元の病院へ再転院となり、この病院でSARSにより死亡した。 SARSは、広東省での元々のアウトブレイクから2週間の間に、37ヶ国に広まったが、その影にはこういったスーパー・スプレッダーの存在があったとされている。中でも香港とシンガポールの感染者は、実に75%以上がスーパー・スプレッディング事例の結果だったという。
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