193X年の謝肉祭
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謝肉祭(カーニヴァル)の最終日マルディグラ(懺悔火曜日)、世界最大のカーニヴァルが開かれているルイジアナ州のニューオーリンズにて、わたし(語り手)は、古代エジプトの神官の仮装をした男ヘンライカス・ヴァニングに出会う。彼はわたしが雑誌に連載しているエジプトの話の読者であり、2人は意気投合する。 彼の邸宅では仮装舞踏会が開催されており、わたしが招かれたときは奇怪な衣装を身にまとった者達が詰めていたが、彼らはヴァニングがカモフラージュの一環として舞踏会に呼び寄せた一般人だった。ヴァニングは自分が秘密結社「柩クラブ」の会員であることを明かすと、残りの4人のメンバーをわたしに紹介する。 舞踏会のさなか、わたしはクロコダイルの頭をしたエジプトの神官を目撃する。仮面のリアルな造形に感服するも、目を離した隙にいなくなっており、酒の酔いによる白昼夢かと片付ける。 そこへ、ヴァニングが真剣な様子でわたしに協力を要請し、セベク神の神官のミイラの柩と、禁断の書物を持ち出してくる。彼は、ミイラを運輸する過程で本当に死人が出たことで、どう扱うべきか意見が別れていることを話し、わたしに意見を求める。わたしは先ほどのセベクの神官を思い出し、「正に彼を呼ぶべきだろう」と提案する。それを聞いたヴァニングは、そのような人物は見ていないと、恐怖に震える。事態を重く見た4人がその人物を捕まえるために部屋から出て行き、わたしとヴァニングの2人が残る。すると、戸口にあの鰐男が現れ、おびえるヴァニングに素早く近づき、顎を開いて、喉に噛みつく。わたしは殺人者の仮面を引っ張ろうとするが、実際に触れたことで、仮面などではなく「生きた皮膚」だということを理解する。殺人者は姿を消し、ヴァニングの亡骸が残され、わたしは悲鳴を上げて屋敷から飛び出し、ニューオーリンズからも去る。
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