19から25章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/08 02:12 UTC 版)
見様見真似の操縦法で、ベッドフォードは幸運にもイギリス沿岸(リトルストーン)に軟着水する。球体は近所の子供のいたずらにより失われる。ベッドフォードは月から持ち帰った純金で当座の金を作り、自分の体験記を書き記し、雑誌に掲載する。戯曲の執筆も再開しようとしていたある日、オランダ人科学者ヴェンディゲー氏が月からの通信を傍受しているという報せを受け、ベッドフォードは彼の下を訪ねる。それはケイヴァーからの通信だった。 通信は途切れがちだが、ヴェンディゲー氏とベッドフォードは以下のような内容を読み取る。「ケイヴァーは月人に捕まって数百kmの地下に連れて行かれた。月人は(アリのように)職業・階級で肉体構造が全く異なる生物で、大きくは労働者階級と知識階級に分かれる。ケイヴァーは通訳として付けられた『フィウー』、『チパフ』という知識階級の月人に英語を教えて、意思を疎通できるようになる。はじめは優遇されて通信機を作ることも黙認され、月の支配者『グランド・ルナー』とも謁見する。しかしその場で地球の民主主義や地球人がみな同じような肉体を持っていること、地球全土が統一されておらず国家間で戦争が絶えないこと、などの『危険思想』を話してしまう。」 これによって月人はケイヴァーを危険視するようになったらしく、以降の通信は月人に妨害されているようだと地球側は推測する。最後の通信は自分の軽挙を悔やみ、大急ぎでケイヴァーリットの製造法を伝えようとする内容だったが、語り初めで途切れてしまう。ケイヴァーは月人に処分されてしまったのだ、とベッドフォードが推察するところで物語は終わる。
※この「19から25章」の解説は、「月世界最初の人間」の解説の一部です。
「19から25章」を含む「月世界最初の人間」の記事については、「月世界最初の人間」の概要を参照ください。
- 19から25章のページへのリンク