1750年までに廃止された文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 04:18 UTC 版)
「ロシア語アルファベット」の記事における「1750年までに廃止された文字」の解説
⟨ѯ⟩ と ⟨ѱ⟩ はギリシア語アルファベットのΞとΨに由来し、 18世紀までギリシア語からの外来語に対して使用されていた。現在でも教会スラヴ語では使用されている。 ⟨ѡ⟩ はギリシア語アルファベットのΩに由来し、 ⟨о⟩ と発音が同一である。18世紀までギリシア語からの外来語に対して使用されていた。現在も教会スラヴ語で使用されており、教会スラヴ語においては両者は明確に区別されている。 ⟨ѕ⟩はよりarchaic /dz/の発音に対応し、中世より既に東スラヴ語派では見られない発音であったが、伝統的に特定の語の表記に対し18世紀まで使用されていた。現在では教会スラヴ語で使用されている。 ユスと呼ばれる⟨ѫ⟩と⟨ѧ⟩は、本来鼻音化された母音/õ/と/ẽ/に相当するものとして使用されていたが、言語的な再構築を経る中で中世には東スラヴ語派では使用されない発音となっていた。しかし、他のキリル文字とともに18世紀まで導入されていた。⟨ѭ⟩と⟨ѩ⟩は20世紀までには全く見られない発音となった。⟨ѫ⟩はギリシア語からの外来語に対して16世紀まで使用されていた。しかし、その後パスハの主日字(英語版)から外れた。⟨ѫ⟩と⟨ѧ⟩は17世紀には廃止されたものの、教会スラヴ語では現在も使用されている。 ⟨ѧ⟩は単語の語頭以外の部分では口蓋化された/ja/ ⟨я⟩ の音価に対応していた。現在の⟨я⟩は17世紀の草書体と形が同じであり、1708年の文字改革まで使用されていた。 1708年まで、iotatedされた/ja/は語頭では⟨ıa⟩と表記されていた。⟨ѧ⟩と⟨ıa⟩の区別は現在も教会スラヴ語において残っている。 上記の表において「18世紀に廃止された」とされる文字は1708年に通常公式なアルファベットから取り除かれたと述べられることが多いが、実際の事情はより複雑である。これらの文字はピョートル1世により発行された西ヨーロッパスタイルのセリフフォントによる印刷の表から取り除かれた。当初は現在の⟨й⟩ も廃止される文字に含まれていたが、ロシア正教会からの圧力によって撤回することになった。しかし、大衆的に広まったことで1750年までにはこれらの文字は使われなくなった。
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