154kV送電線の建設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 09:28 UTC 版)
奈良・和歌山方面への送電増加に伴い既設岩塚 - 四日市間送電線の容量が不足することから、東邦電力では四日市 - 高田間送電線の途中に桜開閉所を設け、日本電力が名古屋郊外の岩倉に設置していた名古屋変電所との間を直接つなぐ77kV送電線を新設した。この岩倉 - 桜間77kV線の完成は合同電気への四日市・奈良両支店移管に先立つ1930年4月である。また翌1931年(昭和6年)5月には、飛騨川の発電所などからの電力が集まる犬山の羽黒変電所と日本電力名古屋変電所を繋ぐ77kV送電線も新設されている。 上記のうち、羽黒 - 岩倉線と岩倉 - 桜線は送電量増加を見込んで154kV送電線として設計された。また既設四日市 - 高田線についてもあらかじめ一部区間が154kV昇圧が可能な設計とされていた。これらの設計を活かした154kV昇圧は、関西方面の需要増加に対応するため1933年(昭和8年)6月に実施された。77kVから154kVへと昇圧する昇圧変電所は日本電力名古屋変電所に隣接して岩倉変電所として設置。反対に関西側には77kV降圧用に木津変電所(京都府相楽郡相楽村〈現・木津川市〉所在)を新設した。昇圧の結果、岩倉変電所は岩塚変電所にかわる名古屋方面における配給上の拠点となり、木津変電所は奈良・和歌山方面への送電拠点となった。 また1937年12月に飛騨川下流に川辺発電所が完成すると、川辺発電所から羽黒変電所付近まで154kV送電線が新設され、羽黒変電所と岩倉変電所を結ぶ既設送電線も77kV線から154kV線に昇圧された。その結果、154kV送電線は川辺発電所より岩倉変電所を経由し木津変電所へと至る送電線として整備が完了した。
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