11~12世紀の彫刻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:02 UTC 版)
「国立中世美術館」の記事における「11~12世紀の彫刻」の解説
国立中世美術館のロマネスク彫刻のコレクションには、パリの歴史に関する作品が数多く含まれる。特に(現存するサン=ジェルマン=デ=プレ教会を含む)サン=ジェルマン=デ=プレ修道院の12の柱頭(11世紀初頭)、フランス革命によりほとんど破壊された聖ジュヌヴィエーヴ修道院の4つの柱頭(1100-1110年頃)、さらにイル=ド=フランス地域圏の初期ゴシック彫刻として、サン=ドニ大聖堂の西側ファサードのシバの女王、モーセおよび預言者を表わす人像柱(1137-1140年頃)やサン=ドニ大聖堂の回廊にあった向かい合わせの2つのセイレーン(半人半鳥)像の柱頭(1140-1145年頃)、ノートルダム大聖堂のサンタンヌ門の人像柱(1150年頃)などがある。 フランス以外のロマネスク彫刻としては、カタルーニャのものが多く、バル・デ・ボイ(ボイ渓谷)で作られた木製の聖女像(1120-1140年)、サン・ペドロ・デ・ローダ修道院の8つの柱頭(12世紀末)などがあり、これらの柱頭のうち一つはノアの生涯、もう一つはアブラハムの生涯を描いている。 オーヴェルニュ地方の木製の磔刑像(12世紀末から13世紀初め)はエルマン聖母教会(ピュイ=ド=ドーム県)のものだが、特に腰布の部分に残る色彩は北フランスで作られたことを示している。 その他、欧州の様々な地域で作られた象牙またはセイウチ牙の彫刻として、11世紀末のチェスの駒、ヤコブ(イスラエル)の12人の子を起源とする『イスラエル十二部族の象牙板』、ゾウの牙にキリスト昇天の場面が刻まれた『角笛』(11世紀後半)などがあり、セイウチ牙とカバ牙を使った司教杖(12世紀中頃)には、唐草模様に竜、ライオン、鷲が彫られている。 サン=ドニ大聖堂の人像柱の『預言者』(1137-1140年頃) サン=ドニ大聖堂のセイレーン(半人半鳥)像の柱頭 (1140-1145年頃) サン・ペドロ・デ・ローダ修道院のアブラハムの生涯を描いた柱頭 (12世紀末) オーヴェルニュ地方の木製の磔刑像 (12世紀末頃) チェスの駒 (クイーン) (11世紀末) ゾウの牙にキリスト昇天の場面が刻まれた角笛 (11世紀後半) セイウチ牙とカバ牙を使った司教杖(12世紀中頃)
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