-τέος (-téos)語尾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 01:47 UTC 版)
「古代ギリシア語の文法」の記事における「-τέος (-téos)語尾」の解説
ゲルンディウム(gerundive、動形容詞 verbal adjective とも)とは、未来においてなされるべき行為(動作の必然性。意味は受動)を表す。語尾は男性・女性・中性の順に -τέος, -τέᾱ, -τέον (-téos, -téā, -téon) となり、格変化は形容詞の第1格変化・第2格変化と同様になる。語幹は通常、受動態アオリストと同形になるが、子音の φ は π へ、χ は κへ変化する。例えば、 παύω (paúō) → παυστέος(paustéos) 「止められるべき」"to be stopped" λαμβάνω (lambánō) → ληπτέος(lēptéos) 「取られるべき」 "to be taken" 用法には二つあり、一つは受動的な意味で、ラテン語のゲルンディウムにも似ている。行為を行う行為者は与格になる。 ποταμὸς ... τις ἄλλος ἡμῖν ἐστι διαβατέος. potamòs ... tis állos hēmîn esti diabatéos. 「私たちが渡らなければならない川がもう一つある」("There is another river which we must cross"、文字通りには「私たちによって渡られるべき川がもう一つある」<"There is another river to be crossed for us">) もう一つは能動的な意味の非人称用法で、中性単数の語尾 -τέον (-téon) をとる。この場合は目的語もとることができ、直上と同じく行為者(省略がなければ)は与格となる。 τὸν θάνατον ἡμῖν μετ’ εὐδοξίας αἱρετέον ἐστί. tòn thánaton hēmîn met’ eudoxías hairetéon estí. 「私たちは栄光のうちに死を選ぶことが必要である」("It is necessary for us to choose death with glory") この二つのどちらの解釈も可能なケースもある。 τὸ χωρίον αἱρετέον. tò khōríon hairetéon. 「砦は占領されなければならない」(一つめの受動的な意味、"The fort must be captured")、または、「砦を占領することが必要である」(二つめの能動的な非人称用法、"It is necessary to capture the fort") 古代ギリシア語のゲルンディウムはラテン語のゲルンディウムに似ているものの、ラテン語ほど広範囲には用いられない。これは、必要性や必然性を表すには、非人称動詞の δεῖ(deî 「~が必要である」、"it is necessary")を用いる用法があるためで、この場合は、行為者が対格、動詞は不定詞で表現する。 δεῖ αὐτὸν ἀποθανεῖν. deî autòn apothaneîn. 「彼は死ぬ必要がある」("It is necessary for him to die", "he must die"。αὐτὸν が行為者の「彼」で対格になっている)
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