何ぞ

デジタル大辞泉

な‐ぞ【^▽何ぞ】

読み方：なぞ

《「なにぞ」の音変化》

［副］《古くは「なそ」》どうして。なぜ。

「—かう暑きにこの格子はおろされたる」〈源・空蝉〉

［連語］

１ 何であるか。なにごとか。

「こは—。あなもの狂ほしの物怖ぢや」〈源・夕顔〉

２ なんという。どんな。

「—の犬のかく久しう鳴くにかあらむ」〈枕・九〉

なに‐ぞ【何ぞ】

読み方：なにぞ

［連語］「なんぞ」に同じ。

「草の上におきたりける露を、かれは—、となむ男に問ひける」〈伊勢・六〉

［副］「なんぞ」に同じ。

「かへる山—はありてあるかひは来てもとまらぬ名にこそありけれ」〈古今・離別〉

なん‐ぞ【何ぞ】

読み方：なんぞ

［連語］

１ 《代名詞「なに」に副助詞「ぞ」の付いた「なにぞ」の音変化》

㋐漠然と物事をさす。なにか。「—おもしろいことはないか」「—用でもあるのか」

㋑（下に助詞「の」を伴って）どんな。どういう。

「汝は—の人ぞ」〈宇津保・俊蔭〉

２ 《代名詞「なに」に係助詞「ぞ」の付いた「なにぞ」の音変化》どういうものか。何物か。何事か。なにか。「人生とは—や」

「上たち聞きつけさせ給ひて、—と問はせ給ふ」〈宇津保・楼上下〉

［副］

１ なぜ。どうして。

「—今一人はゐて来たらぬぞ」〈今昔・七・四六〉

２ 反語の意を表す。どうして…か、いや、そうではない。

「この経—必ず法華経の序たるべき」〈今昔・七・一三〉

鳥取弁辞書

なんぞ【何ぞ】

《品詞》代名詞「なに」＋助詞「ぞ」の転
《標準語》何か
《用例》「なんぞ食うもん、ないかえ」（何か食べる物はないですか）。
《用例》「花ちゃんの土産になるやなもんが、なんぞにゃーだらーかいなあ」（花ちゃんへの土産になるような物が、何かないでしょうかねえ）。

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「何ぞ」の例文・使い方・用例・文例

• 今日は何ぞご用は
• 王侯将相何ぞ種あらんや
• 鶏を割くに何ぞ牛刀を用いんや
• 彼は一書生にあらずして何ぞや
• 何ぞご用ですか
• 何ぞ好い工夫は無いか
• 何ぞ好い本がありそうなものだ
• 何ぞその賢明なる
• 何ぞその無学なる
• 何ぞ図らんその人ならんとは
• 人々行うところ異なるといえども本文を尽すにおいて何ぞ分かたん
• 人の人たる所以は何ぞや
• 人の禽獣と異る所以は何ぞや