グルコン酸カルシウムとは? わかりやすく解説

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グルコン酸カルシウム

分子式C12H22CaO14
その他の名称エブシン、カルチサン、グルカール、カルシオホン、カルシコール、カルチコール、カルグルコン、グルコビオゲン、グルコン酸カルシウム、Ebucin、Glucal、Calcicol、Calcisan、Calciofon、Calglucon、Glucobiogen、Calcium gluconate、Bis(D-gluconic acid) calciumBis(D-gluconic acid)calcium salt
体系名:ビス(D-グルコン酸)カルシウム


グルコン酸カルシウム

【仮名】ぐるこんさんかるしうむ
原文calcium gluconate

ミネラル一種であるカルシウムブドウ糖似た物質結合したもの。骨喪失予防および治療用いられている。化学療法によって生じる骨喪失神経損傷対す治療薬としても研究されている。

グルコン酸カルシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/01 17:08 UTC 版)

グルコン酸カルシウム
識別情報
CAS登録番号 299-28-5
PubChem 9290
E番号 E578 (pH調整剤、固化防止剤)
特性
化学式 C12H22CaO14
モル質量 430.373 g/mol
外観 白色固体
密度 0.30-0.65 g/cm3[1]
融点

195 ℃

への溶解度 3.3 g/100mL(水)[2]
薬理学
生物学的利用能 27 %(成人男性、非日本人)
投与経路 経口

 

血漿タンパク結合 45 %(Caとして)[3]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

グルコン酸カルシウム(: calcium gluconate)とはミネラルサプリメントの1つ。低カルシウム血症の治療に最も使用されるカルシウムの形態である。グルコン酸カルシウムはカルシウムを無水物で9.3 %、1水和物で8.9 %含む。

フッ化水素酸による化学熱傷の治療

グルコン酸カルシウムのゲル製剤はフッ化水素酸化学熱傷の治療に使用される[4][5]。しかしゲル製剤は現在の日本では承認されていないため、院内製剤のようにそれぞれで調製する必要がある。また重篤な場合には、グルコン酸カルシウムを生理食塩水溶液として皮下注射する。フッ素イオンはカルシウムと速やかに結合してフッ化カルシウムを生成するため、フッ化水素酸の皮下への浸透を防ぐ効果がある。また、フッ化水素酸を吸入してしまった場合には、体内のカルシウムがフッ素イオンによって消費されて低カルシウム血症が引き起こされるため、グルコン酸カルシウムの生理食塩水溶液を静脈注射して血中のカルシウムの補給が行われる[6]

カルチコール末

グルコン酸カルシウムの1水和物はカルシウム補給薬として医薬品医療機器総合機構の承認を受けてカルチコール末という名称で市販されている。長期にわたり服用したり過剰投与することで逆に高カルシウム血症となる危険性もあり、また副作用によって腎結石が出来ることもある[3]

脚注

  1. ^ 国際化学物質安全性カード”. 国立医薬品食品衛生研究所. 2010年11月29日閲覧。
  2. ^ Calcium gluconate”. ChemicalBook. 2010年11月29日閲覧。
  3. ^ a b カルチコール末 添付文書” (2014年11月). 2016年8月4日閲覧。
  4. ^ el Saadi MS, Hall AH, Hall PK, Riggs BS, Augenstein WL, Rumack BH (1989). “Hydrofluoric acid dermal exposure”. Vet Hum Toxicol 31 (3): 243–7. PMID 2741315. 
  5. ^ Roblin I, Urban M, Flicoteau D, Martin C, Pradeau D (2006). “Topical treatment of experimental hydrofluoric acid skin burns by 2.5% calcium gluconate”. J Burn Care Res 27 (6): 889–94. doi:10.1097/01.BCR.0000245767.54278.09. PMID 17091088. 
  6. ^ フッ化水素” (PDF). 財団法人 日本中毒情報センター. pp. 2-3ページ. 2010年11月29日閲覧。

関連項目

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