「統一、自由、社会主義」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 15:27 UTC 版)
「ミシェル・アフラク」の記事における「「統一、自由、社会主義」」の解説
アラブ社会主義バアス党のスローガン「統一、自由、社会主義」は、アフラクのバアス主義思想の主要な信条である。統一の意味は、アラブ人が一つの「アラブ国家」のもとに統合することである。アフラクはアラブ国家の形成が、直接アラブの発展に結びつくと考えていた。つまり、アラブ国家の形成が、アラブ・バアス(再生)を主導するということである。統合されない限りはアラブ諸国は減退する一方で、その国々は「封建制、セクト主義、分離主義、反動主義」という病気を抱え込んでいるという主張をした。アフラクは、アラブを治療する唯一の方法は革命運動であるとした。アフラクは、マルクス主義の影響を受けており、アラブ国家の形成にも前衛党が必要であると考えていた。 自由もバアス主義の要素の一つだが、自由民主主義の意味としては使っていなかった。アフラクは思想の多元主義を強く支持していたが、逆説的にではあるが、投票における多元主義は認めていなかった。理論上、バアス党は、移行期間中は人々に相談せずに統治を行うとしていた。なぜなら、党が正しいことを知っているとしていたからである。 社会主義であるが、これも西欧の社会主義とは違う、アラブ社会主義を掲げていた。アラブ社会主義は彼が作った造語で、社会主義の変異体とした。アフラクは社会主義はムハンマド時代のアラブ社会に原型があったとする。アラブ社会のポイントは、国家介入の強弱や経済的平等ではなく、アラブ人を抑圧と奴隷化から守り、徐々に自立した個人を作り出すことであった。 アフラクは、マルクス主義の弁証法的唯物論に批判的であった。アフラクは共産主義と資本主義のどちらにも批判的だったが、冷戦下で2つの陣営が均衡した状態にあるのが、権力の分立が成り立つので望ましいと考えていた。
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