高速原子衝撃とは? わかりやすく解説

高速原子衝撃法

(高速原子衝撃 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/12 00:42 UTC 版)

高速原子衝撃(こうそくげんししょうげき、: Fast atom bombardment、略称: FAB)法は、質量分析において用いられるイオン化技術の一種である[1][2][3][4]。分析される材料は、マトリックスと呼ばれる不揮発性化学保護環境と混合され、真空下で高エネルギー(4000〜10000電子ボルト)原子線を衝突させられる。原子は通常、アルゴンあるいはキセノンといった不活性ガスが用いられる。一般的なマトリックスとしては、グリセロールやチオグリセロール、3-ニトロベンジルアルコール (3-NBA)、18-クラウン-6エーテル、2-ニトロフェニルオクチルエーテル、スルホランジエタノールアミントリエタノールアミンがある。FAB法は二次イオン質量分析法やプラズマ脱離質量分析法と似ている。




  1. ^ Morris HR, Panico M, Barber M, Bordoli RS, Sedgwick RD, Tyler A (1981). “Fast atom bombardment: a new mass spectrometric method for peptide sequence analysis”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 101 (2): 623–31. doi:10.1016/0006-291X(81)91304-8. PMID 7306100. 
  2. ^ Barber, M.; Bordoli, R.S.; Sedgewick, R.D.; Tyler, A.N., Nature, 293, 1981, pp270-275
  3. ^ Barber, M.; Bordoli, R.S.; Elliott, G.J.; Sedgewick, R.D.; Tyler, A.N., Analytical Chemistry, 54, 1982, pp645A-657A.
  4. ^ Barber M, Bordoli RS, Sedgewick RD Tyler AN (1981). “Fast atom bombardment of solids (F.A.B.): a new ion source for mass spectrometry”. Journal of the Chemical Society, Chemical Communications (7): 325–7. doi:10.1039/C39810000325. 
  5. ^ Tomer KB (1989). “The development of fast atom bombardment combined with tandem mass spectrometry for the determination of biomolecules”. Mass Spectrometry Reviews 8 (6): 445–82. doi:10.1002/mas.1280080602. 
  6. ^ Bullough,D.A., Jackson C.G.,Henderson, P.J.F., Cottee, F.H.,Beechey,R.B. and Linnett, P.E. Biochemistry International (1981) 4, 543-549


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高速原子衝撃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 06:28 UTC 版)

イオン源」の記事における「高速原子衝撃」の解説

原子による粒子衝撃は高速原子衝撃 (FAB)と呼ばれ原子または分子イオンによる衝撃二次イオン質量分析SIMS)と呼ばれる核分裂片イオン化は、適切な核種例えカリホルニウム同位体252 Cf核分裂結果として形成されるイオンまたは中性原子使用するFABでは、分析物マトリックス呼ばれる不揮発性の化学的保護環境混合され真空下で高エネルギー400010,000電子ボルト)の原子ビーム照射される。原子通常アルゴンキセノンなどの不活性ガス由来する一般的なマトリックスには、グリセロールチオグリセロール、3-ニトロベンジルアルコール(3-NBA)、18-クラウン-6エーテル、2-ニトロフェニル オクチル エーテルスルホランジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン含まれる。この技術は、二次イオン質量分析およびプラズマ脱離質量分析似ている

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