トリエタノールアミンとは? わかりやすく解説

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トリエタノールアミン

分子式C6H15NO3
その他の名称トロラミン、トリエタノールアミン、Trolamine、Triethanolamine、2,2',2''-Nitrilotris(ethanol)、ダルトゲン、ステロールアミド、チオファコT-35、チアエタノールアミンNG、Tholamine、Thiaethanolamin NG、Thiofaco T-35、Sterolamide、Daltogen、トラミン、2,2',2''-Nitrilotrisethanol、2,2',2''-Nitrilotriethanol、スティング-キルAlkanolamine 244、Sting-Kill、ニトリロトリエタノール、アルカノールアミン244、TEOA、2-[Bis(2-hydroxyethyl)amino]ethanol、Nitrilotriethanol、Tri(2-hydroxyethyl)amineTris(2-hydroxyethyl)amine
体系名:N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ヒドロキシエタンアミン、2,2',2''-ニトリロトリ(エタノール)、トリ(2-ヒドロキシエチル)アミン、2,2',2''-ニトリロトリス[エタノール]、トリス(2-ヒドロキシエチル)アミン、2,2',2''-ニトリロトリス(エタノール)、2,2',2''-ニトリロトリスエタノール、2,2',2''-ニトリロトリエタノール、2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール


トリエタノールアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 00:43 UTC 版)

トリエタノールアミン
識別情報
CAS登録番号 102-71-6
PubChem 7618
EC番号 203-049-8
KEGG C06771
ChEBI
RTECS番号 KL9275000
特性
化学式 C6H15NO3
モル質量 149.188 g/mol
示性式 N(CH2CH2OH)3
外観 淡黄色液体、吸湿性
密度 1.126 g/cm3
融点

20.5°C (293.65 K)

沸点

208 °C (20 hPa)
335.4°C (608.55 K)

への溶解度 均一に混和する
危険性
安全データシート(外部リンク) Oxford MSDS
主な危険性 刺激性
NFPA 704
1
2
0
Rフレーズ R36 R37 R38
Sフレーズ S26 S36
引火点 179 ℃
発火点 325 ℃
爆発限界 3.6 - 7.2 %
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリエタノールアミン (triethanolamine、Trolamine) は有機化合物アミンの一種。他のアミン同様、トリエタノールアミンは窒素原子上の孤立電子対により弱塩基性を示す。三個のヒドロキシ基を有することにより、水溶性とキレート能を示す。TEA と略称される。

製造

モノエタノールアミンエチレンオキシドアンモニア水溶液から製造されるが、その反応はジエタノールアミンやトリエタノールアミンをも生成する。反応原料の化学量論の量を変えることで生成物の比率が制御される[1]

利用

この化成品はさまざまな製品の化粧品の製造時にpH調整剤として使用されている。例えば、スキンローション、アイジェル、モイスチャー、シャンプー、シェービングクリーム等である。

他に、トリエタノールアミンは水溶液中でのアルミニウムイオンのキレート剤として広く使用されている。この化学反応は EDTA のようなキレート剤を使った錯滴定でイオンをマスキングする為の前処理剤として使用される。すなわちこれらの試薬は金属イオンと安定な錯体を形成する。

トリエタノールアミンはセメントのクリンカーを粉砕する際の有機添加物 (0.1 wt. %) としても使用されている。トリエタノールアミンはボールミルのボールや内壁表面を覆うことで粉体が凝集することを妨げるので、効率的な粉砕が可能になる[2]

重金属や放射性同位体金属とトリエタノールアミンとの錯体を形成させセメント封入する際に分散性を改善する機能があるが、一方、溶解性も増大させるので利用については疑問の余地が残されている。

トリエタノールアミンはナイトロジェンマスタード製造に利用されるとして化学兵器禁止条約のSchedule 3, part Bリストに含まれている。また化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年四月五日法律第六十五号)により第二種指定物質として指定されている[3]

安全性

他のアミン同様、ニトロソアミンを形成する性質を持っている[要出典]。しかし、化粧品原料としての使用量が少ない[要出典]ために、生成反応が生じる機会はとても少ないと考えられている。

出典

  1. ^ Klaus Weissermel, Hans-Jürgen Arpe, Charlet R. Lindley, Stephen Hawkins (2003). “Chap. 7. Oxidation Products of Ethylene”. Industrial Organic Chemistry. Wiley-VCH. pp. 159-161. ISBN 3527305785 
  2. ^ Sohoni, S.; R. Sridhar, G. Mandal (1991). “Effect of grinding aids on the fine grinding of limestone, quartz and portland cement clinker”. Powder Technology 67 (3): 277-286. 
  3. ^ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行令(平成七年五月一日政令第百九十二号)第一条 別表

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