高射特科部隊の運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:50 UTC 版)
「高射特科団」、「第7高射特科連隊」、「第15高射特科連隊」、および「独立特科大隊」も参照 特定の方面隊(北部方面隊・西部方面隊)には、2個高射特科群基幹となる高射特科団が置かれている。高射特科団は本部管理中隊と2個高射特科群で編成され、無線誘導機隊もしくは、それを増強した無人標的機隊をもって編成されている。地対空誘導弾改良ホークまたは03式中距離地対空誘導弾をもって中距離防空・対弾道ミサイル戦を担当する。 高射特科団を設置しない方面隊には、高射特科群または高射特科隊が1個置かれている。高射特科群は原則、本部管理中隊と4個高射中隊・1個高射搬送通信中隊(通信科)で編成され、地対空誘導弾改良ホークまたは03式中距離地対空誘導弾をもって中距離防空・対弾道ミサイル戦を担当する。東北方面隊隷下の第5高射特科群は2018年3月26日をもって廃止され、大隊に準ずる隊(第101高射特科隊)へ縮小された。 師団に高射特科大隊、旅団には高射特科中隊(なお、第7師団と第15旅団は高射特科連隊、第11旅団・第12旅団・第14旅団は高射特科隊)が置かれる。師団高射特科部隊は原則として本部管理中隊と2個中隊で編成され、近距離・短距離地対空誘導弾を用いて師団・旅団・普通科戦闘団の防空(短距離・近距離防空)を担当する。第1高射中隊が近SAM装備、第2中隊が短SAM装備と装備ごとに中隊が編成されていたが、第3高射特科大隊、第6高射特科大隊のように、指揮情報中隊及び高射中隊に再編成された部隊もある。 戦車戦闘団に所属する部隊(第2高射特科大隊第3中隊・第7高射特科連隊第1-第4中隊)は87式自走高射機関砲を用いて戦車戦闘団の戦域防空を担当する。 例外として、第6高射特科群から改編した第15高射特科連隊は、03式中距離地対空誘導弾や11式短距離地対空誘導弾を装備、高射搬送通信中隊を編成し、南西諸島における中距離・短距離防空および、対弾道ミサイル戦を兼ねて担当する。南西諸島の対処能力向上のため、宮古島、石垣島及び奄美大島に開設された陸上自衛隊駐(分)屯地(予定を含む)に、第7高射特科群が移駐したほか本土から高射中隊を派遣する形で高射部隊が配備されている。 即応機動連隊の本部管理中隊には高射小隊が編成され、同師旅団の高射特科部隊から管理換えされた93式近距離地対空誘導弾をもって即応展開した部隊の防空を担当する。 高射学校学生に対する教育支援のため高射教導隊が編成されている。 03式中距離地対空誘導弾よりも長距離射程の装備(PAC-3)ついては、航空自衛隊の高射群の担当となる。
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