骨のスケート靴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 01:49 UTC 版)
先史時代のスカンジナビア半島の遺跡からは、スケート用に加工された動物の骨が発掘されている。とくによく使われたのがまずウマ、次いでウシ、そのほかエルクやアカシカ、ヒツジなどの橈骨や脛骨の部分である。 これらの骨は削られ、穴があいているものもあり、おそらく紐状のもので履物に縛りつけて用いられたと考えられている。同様のものはロシアやドイツ、イギリス、フランス、スイス、スロバキアなどヨーロッパ各地で見つかっている。シベリアではセイウチの歯を加工していた例もある。 中世においてもヨーロッパではこのような骨製の用具が使われていた。12世紀イギリスのカンタベリー大司教、トマス・ベケットの書記だったウィリアム・フィッツスティーヴン(William Fitzstephen)は、当時のロンドンでは冬にテムズ川に注ぐ水路の水が凍ると、若者たちが動物の脛骨を使い、氷上を滑って楽しんでいたと記録している。彼らはストックを手に氷の表面を突いて滑走し、時には互いに向かい合って打ち合うゲームもしていた。 実際に12世紀のロンドンの地層からは骨製のスケートが見つかっている。
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