類数に関するガウスの予想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 07:38 UTC 版)
詳細は「類数問題」を参照 ガウスは、二元二次形式の研究により、二次形式の類数について、いくつかの予想を残している。今日、これらを総称して、類数に関するガウスの予想という。特に、予想4 のことをガウスの予想とすることも多い。ここでは、ガウスが挙げた予想について、二次体での言葉に翻訳して述べる。 K を二次体とし、DK, hK を K の判別式、類数としたとき、 | D K | → ∞ {\displaystyle \scriptstyle |D_{K}|\to \infty } ならば、 h K → ∞ {\displaystyle \scriptstyle h_{K}\to \infty } である。 類数が 1 である実二次体は、無限に存在する。 与えられた自然数 k に対して、類数が k である虚二次体は有限個しか存在しない。 類数が 1 である虚二次体 Q ( − d ) {\displaystyle \scriptstyle \mathbb {Q} ({\sqrt {-d}})} は、d が以下の場合に限る。 1, 2, 3, 7, 11, 19, 43, 67, 163. 予想 1 について。 予想が成立することは、1934年にハイルブロン (H. Heilbronn) が証明し、ジーゲル (C. L. Siegel) により、類数の増大度について、以下の様な結果が得られた。 lim | D K | → ∞ log h K log | D K | = 1 {\displaystyle \lim _{|D_{K}|\to \infty }{\frac {\log h_{K}}{\log {\sqrt {|D_{K}|}}}}=1} 。 予想 2 について。 現在でも、この予想が成立するか否かは不明である。もっと一般に、類数が 1 である代数体が無限に存在するかも分かっていない。 予想 3 について。 1973年に、ザギエ (D. Zagier) とグロス (B. Gross) によって、予想が成り立つことが証明された。 予想 4 について。 この予想は、まず、ヘーグナー (K. Heegner) によって、この予想が成立することが証明されたが、彼の証明には、不備があり、その誤りが訂正されたのは1968年である。そのため、この予想を最初に証明したのは、ベイカー (A. Baker) とスターク (H. M. Stark) であるとされる。(1966年の証明) その後、類数が 2 である虚二次体 がベイカーとスタークにより解決され、現在までに、類数が100以下の虚二次体が決定している。
※この「類数に関するガウスの予想」の解説は、「二次体」の解説の一部です。
「類数に関するガウスの予想」を含む「二次体」の記事については、「二次体」の概要を参照ください。
- 類数に関するガウスの予想のページへのリンク