非生物的環境の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 19:36 UTC 版)
「表現型の可塑性」の記事における「非生物的環境の影響」の解説
一般的に、表現型可塑性は移動力のある動物よりも、植物など移動できない生物においてより重要である。なぜなら、動けない生物はその環境に順応できなければ死ぬしかないが、動けるなら不利な環境を離れることができるからである。多くの植物が、水や塩分、栄養等の環境条件に応じて表現型を変化させる能力を持つ。たとえば栄養の乏しい土壌では根により多くの資源を配分し、葉の大きさと厚さを変えることなどがある。根における輸送タンパク質の量も、土壌の栄養と塩分によって変化することが知られている。Mesembryanthemum crystallinumなど、水分や塩分のストレスにさらされると、使う水の少ない光合成経路を使うようになる植物もいる。水草のウキシバは、水位が低くなると斜め上に伸びる「抽水型」として生育するが、水位が高くなると水面に浮きながら匍匐して成長する「浮葉型」として生育する[要出典]。 動物では、固着性のフジツボの一種Semibalanus balanoidesは、波当たりが強いところでは太い、弱いところでは細いペニスを発達させる能力を持つ。発生過程での温度に影響される可塑性を持つ動物も多い。たとえば、一部の爬虫類や魚類では、発生中の温度によって性が決まる。多くの外温動物では、寒冷な環境ではより大きなサイズまで育つ。昆虫では、羽化する季節によって表現型が変化することがよくある。
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