静的ストレッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:24 UTC 版)
筋肉をゆっくりと伸ばし、やわらかくして可動域(動く範囲)を広げる。パッシブストレッチと静的ストレッチ(スタティックストレッチ)の用語を区別されていない場合もある。静的ストレッチは通常の可動域を超えて筋肉を伸ばそうとするストレッチを指す。 一時期は運動前での実施でその後の練習での怪我が予防でき、パフォーマンスを発揮することが出来るといわれていたが、その後運動前の静的ストレッチはパフォーマンスを低下させ、逆に怪我を増やすと解釈されるようになる。可動域を一時的に広げることにより、力の伝達のロスや、不安定な関節が怪我を発生しやすくする。ザグレブ大学の研究チームは、45秒以上同じ箇所を伸ばさないよう警告している。一方で伸張時間が6秒間であれば筋出力は向上し、30秒間では低下するとした研究結果もある。 逆に運動後に行うことで、パフォーマンス向上や怪我防止につながると言われている。時間については団体・学者により推奨値が異なるが、20秒程度を適当とすることが多い。 はじめに筋肉をゆっくり伸ばすのは伸張反射を防ぐためである。筋肉には筋紡錘と呼ばれるセンサーがあり、筋肉が瞬間的に引き伸ばされると筋紡錘から脊髄へ信号が送られる。すると脊髄から筋肉を収縮させる信号が出され、結果として筋肉が反射的に(つまり意思とは関係なく)収縮する。これを「伸張反射」あるいは「伸展反射」と呼ぶ。伸張反射は筋肉が急激に引き伸ばされたときに起こる防御反応であるが、静的ストレッチにおいては逆効果となるため、これを避ける。
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