霊木伐採事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 00:53 UTC 版)
昭和28年(1953年)から昭和31年(1956年)にかけて、当時の住職が業者に騙され、業者の手によって境内の杉の巨木1666本が無断で伐採された。当初の理由は、一部檀家が本堂屋根改修経費を捻出するために30本程度の伐採許可を得たというものだったが、現実の伐採作業はその後も延々と続けられた。また伐採杉は、「天然秋田杉」と産地を偽った上で総額約2億円で売り払われてしまい、寺はさらに衰退した。昭和35年(1960年)には伐採関係者により、寺領約20ヘクタールのうち18ヘクタールに地上権が設定され、再度の植林作業を行う自由も奪われた。檀家により地上権契約の解消を要求されるも、正式な手続きで登記された以上契約解消は困難であった。 昭和36年(1961年)、檀家側から盛岡地方裁判所に民事訴訟が始まり、昭和42年(1967年)まで38回の弁論を通じて、双方で地上権設定の有効無効を争われた。昭和42年以降は裁判所側の要望により調停になるものの、調停作業は実質14回もの回数に及んだと言われ、話し合いがつくところまで至らなかった。しかし昭和51年(1976年)、寺院の荒廃問題がマスコミによってクローズアップされたころと前後して、被告側に譲歩の態度が見られ、3ヘクタールを除いて地上権を解除するということで合意が得られた。
※この「霊木伐採事件」の解説は、「天台寺」の解説の一部です。
「霊木伐採事件」を含む「天台寺」の記事については、「天台寺」の概要を参照ください。
- 霊木伐採事件のページへのリンク