雌性発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 20:53 UTC 版)
形態的にギンブナと言えるフナ類はほとんどがメスであり、無性生殖の一種である雌性発生をすることが知られている。無性生殖ではメスがクローンの子供を作るが、雌性発生ではオスの精子が発生を開始するのに必要である。しかし、オスの精子は発生の刺激となるだけで、遺伝的に貢献しない。繁殖期(4月~6月)になると浅瀬の水草等に産卵するが、その際には同所的に生息している有性生殖を行なうフナ類(キンブナ・ナガブナ・ニゴロブナ・ゲンゴロウブナ等)のオスと繁殖行動を行ない、精子を得る。野外においてギンブナの雌がフェロモンを出してドジョウ・ウグイなどコイ科の他種の雄と繁殖行動するとの説もあるが、繁殖生態や生理的な機序の違いからほとんど可能性はない。ただし、実験室で人工的にコイ科の精子でギンブナの卵の発生を開始させることはできる。ギンブナの染色体数は多くの場合150(三倍体)希に四倍体が存在し、有性生殖を行なうフナ類の染色体数100と比べると1.5倍である。魚類・爬虫類・両生類では、100種ほど無性生殖を行なうものが知られているが、その多くは雑種起源の倍数体である。 親の染色体数と子の組み合わせパターン親の染色体数母親(メス)2倍体3倍体4倍体父親(オス)2倍体子 2倍体(オス/メス) 子 3倍体 母親のクローン少量の 4倍体(オス/メス) 子 4倍体母親のクローン 4倍体子 3倍体(メス) 子 3倍体 母親のクローン 子 4倍体 母親のクローン希に 4倍体(オス/メス)
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