防虫薬の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:46 UTC 版)
昆虫の繁殖を抑える効果を利用した防虫薬としての可能性が見出されるいくつかの研究が行われている。 突然変異性の検出のための指標としてよく用いられる、ショウジョウバエ翅毛の形態変化を用いる翅毛スポットテストにおいて、エリタデニンを含むアデノシンアナログが用量依存的にモザイクスポット生成を強く誘導することが見出された。エリタデニンは有糸分裂時の変異誘導を起こしやすくする活性があり、DNA鎖の複製中にアデニンに代わってアデニン誘導体としてを組み込まれることによって遺伝毒性作用を示しているものと考えられる。 また、エリタデニンは半翅目(カメムシ目)の一種であるホシカメムシ Pyrrhocoris apterusで、腸ホスファターゼ活性の顕著な抑制を引き起こすことが分かった。腸上皮およびマルピーギ管のp-ニトロフェニルリン酸塩加水分解はエリタデニン投与で最大94%阻害された。エリタデニン投与によって消化排泄器官毒性としてホスファターゼ活性が抑制され、半翅目昆虫のリン酸化ヌクレオシド類似体の大量排泄を引き起こすと考えられる。
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