防衛と擬態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 05:43 UTC 版)
捕食者や闘争相手などの危険から身を守る防衛手段として、捕脚を広げて威嚇する(meral spread、前述参照) ・捕脚や尾肢原節の棘で反撃する・尾節を前にして体を丸める・(水中から取り出される場合は)肛門から水柱を噴射するなどが挙げられる。一部の種類は尾節で巣穴の入り口を塞いて外敵の侵入を防ぎ、中でウニシャコ科の種類が特に進んでいる。例えばウニシャコ属は無数の長い棘を生えた丸い尾節で入り口を塞ぎながらナガウニ科のウニに擬態し、フタオシャコ属は尾節の表面が面ファスナーのように無数の鉤でデトリタスをくっつけ、入り口を塞ぎながらカモフラージュする。 後退行動も知られているが、付属肢(歩脚と腹肢)もしくは腹部の後半部のみを前に折り曲げて行われ、エビなど他の多くの軟甲類(真軟甲亜綱)に見られるような、腹部全体を瞬発に折り曲げた素早いもの(caridoid escape reaction)ではない。代わりに胸節の高い可動域を利して、体をでんぐり返して前後を逆さまにしてから反対側へ逃げ出すことがきる。シャコ類が他の軟甲類で一般に見られる素早い後退行動をしなかったのは、それを進化する前の原始的な軟甲類の祖先形質を表した可能性がある同時に、他の防衛手段(特に捕脚による反撃)の発達でその必要性をなくした可能性もあると考えられる。
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