阮元とは? わかりやすく解説

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げん‐げん【阮元】

読み方:げんげん

[1764〜1849]中国、清の学者政治家儀徴江蘇省)の人。字(あざな)は伯元。号、台(うんだい)。戴震(たいしん)の学を継承多く人材集め考証学振興努めた編著経籍籑詁(けいせきせんこ)」「皇清経解」など。


阮元

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 02:40 UTC 版)

阮元像 1808
阮元の手紙

阮 元(げん げん、拼音: Ruǎn Yuán乾隆29年1月20日西暦1764年2月21日〉 - 道光29年10月13日〈西暦1849年11月17日[1])は、中国代の政治家考証学者。地方官として功績を残すと同時に、学者として多くの編纂事業も手掛けた。文達(阮文達)、揅経老人雷塘庵主など。

略歴

1764年、揚州府儀徴県に生まれる。本貫は揚州府甘泉県槐泗(現在の江蘇省揚州市邗江区槐泗鎮)。

1789年、科挙に合格して進士になる。官僚としては山東浙江の学政、浙江・江西河南巡撫の任についた。とくに浙江には足かけ10年ほど着任して、李長庚らとともに海賊の取りしまりを行った[2]。また、西湖の浚渫事業を行い、そのときに出た泥を集めて築いた湖内の島は「阮公墩」の名で現在も残る。

1817年からは、広州両広総督をつとめる。前年にウィリアム・アマースト三跪九叩頭の礼を拒否する事件が起きたばかりであり、阮元は砲台を築いてイギリスに武力で対抗することを進言した[2]

1826年からは、雲貴総督をつとめる。1835年には体仁閣大学士の官職についた。没後、文達を贈られた。

浙江時代に「詁経精舎」、両広総督時代に「学海堂書院」という書院を建てた。やがて清末に至っては、前者には兪樾章炳麟、後者には梁啓超といった、優れた学者あるいは後の革命家が所属することになる。

著作

阮元の著作は非常に多いが、とくに、自身の幕府(政務上の秘書組織)を活用して作った巨大な編纂物によって現在も名が知られる[3]

  • 『経籍籑詁』(けいせきせんこ、1798年、106巻)は、古典に出現する語彙の訓詁をまとめて平水韻の順に並べたもの[4]
  • 疇人伝中国語版』(ちゅうじんでん、1799年)は、数学者天文暦学者の伝記集。上古から清代に至る中国の数学者243人、およびアテナイのメトンからイエズス会士のブノワに至る西洋人37人の伝記からなる[5][3]
  • 十三経注疏』の校勘と出版(1816年、460巻)。阮元本はその校勘記とともに現在でも影印によって使用される。
  • 皇清経解』(1829年、1400巻)は、顧炎武以来の清代の経学研究書を集積したもの。のちに王先謙が『続皇清経解』を編纂した。
  • 『四庫未収書提要』は、『四庫全書』に収められていない書の概要を記したもので、没後に出版された(5巻)[6]

また、各地の地方志の編集や重刊も行い、土地ごとの詩文集を編纂した。

金石学についても貢献があり、『山左金石志』[7]、『両浙金石志』、『積古斎鐘鼎彝器款識』[8]などの著書がある。

文集に『揅経室集』[9]がある。

脚注

  1. ^ 古漢籍善本數位化資料庫
  2. ^ a b 清史稿』 巻三百六十四・阮元列伝。 
  3. ^ a b 川尻文彦・林文孝・水上雅晴 著「第6章 明末清初から近代――新中国への胎動」、湯浅邦弘 編『中国思想基本用語集』ミネルヴァ書房、2020年。ISBN 9784623087365 235頁。
  4. ^ 経籍籑詁https://archive.org/details/02076220.cn 
  5. ^ 疇人伝https://archive.org/details/02083717.cn 
  6. ^ 揅経室外集 四庫未収書提要http://ctext.org/library.pl?if=gb&file=79232&page=2 
  7. ^ 山左金石志https://archive.org/details/02090979.cn 
  8. ^ 積古斎鐘鼎彝器款識https://archive.org/details/02090776.cn 
  9. ^ 揅経室集https://archive.org/details/02104050.cn 

関連史料

阮元の60歳の記念に龔自珍が書いた文章。
『阮元年譜』とも呼ばれる、大部の阮元伝。
  • 阮元原著・井土霊山和訳「南北書派論」『書道及画道 第三巻 第二号』

外部リンク

関連項目




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