鎮圧をめぐるドイツと連合国の協議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 17:15 UTC 版)
「ルール蜂起」の記事における「鎮圧をめぐるドイツと連合国の協議」の解説
カップ政府および復帰したヴァイマル共和国政府は、この混乱したルール地方の争乱を鎮圧するため、軍を派遣することを考えていた。しかしヴェルサイユ条約によってライン川50km以西は共和国軍の立ち入りが禁止される非武装地帯とされることが決定しており、治安維持のための軍として歩兵20個大隊、騎兵10個中隊、砲兵2個中隊の1万7千人が4月10日までの期限で駐兵を認められているに過ぎなかった。両政府はイギリスおよびフランスに対して増派の許可を求めていたが、フランスは「ヴェルサイユ条約の事実上の破棄」にあたるとしてこれに強く反対していた。フランス代表のアレクサンドル・ミルランはこの派兵要請を含めてドイツが条約違反を数々犯してきたと主張し、ライン川東岸地域を連合国軍によって占領するよう提案した。しかしイギリスはドイツの国内情勢安定が優先されるべきであるとして、共和国軍による鎮圧を支持し、イタリアと日本もこれに賛同した。フランスは共和国軍の派兵中に、ドイツの数都市を保障占領する案を出したが、これもイギリス側の反対にあった。ドイツは再度派兵許可を求めたが、連合国の方針が一致しない状況下では受け入れられなかった。こうしてドイツは連合国の許可を得ないまま派兵に踏み切ることになった。
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