金属活字本
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禑王3年(1377年)に清州の興徳寺(清州市興徳区)で刊行された金属活字本は、本の最後に“在淸州興德寺用金屬活字印製而成”と書かれていて全世界に残っている金属活字で印刷された本の中で最古のものといわれている。2001年9月4日に『承政院日記』と共に世界の記憶に登録された。金属活字本と呼ばれているもののうち現存しているのは下巻だけで、19世紀末から20世紀初頭にかけて駐韓フランス公使コラン・ド・プランシ(Victor Emile Marie Joseph Collin de Plancy)が韓国で蒐集した古書の中に含まれていた。 古書のコレクションは死後にフランス国立図書館に寄付されたが、直指は長らく蔵書の中に埋もれた状態だった。直指は1970年代になり再発見され、1972年のフランス国立図書館主催の国際書籍年関連のイベントで展示され、世界最古の金属活字本として注目を浴びるようになった。 現在もフランス国立図書館に所蔵されているが、韓国側とフランス側では直指の帰属をめぐる論争がある。図書館側は、直指は人類共通の遺産でありどの国に所属するものでもないのでフランスが手放す必要はないこと、設備の整ったこの図書館でこれからも保管・展示されるのが望ましいことを主張している。一方、韓国では、こうした遺産は作られた国に返すべきであること、直指は世界のどこよりも韓国にとって高い文化的歴史的価値を持つことなどを主張しており、フランス国立図書館に対して返還を求める団体もいくつかある。
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