避難行動に不向きな内部構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:42 UTC 版)
「ホテルニュージャパン火災」の記事における「避難行動に不向きな内部構造」の解説
ホテルニュージャパンは、当初の計画では高級アパートとして建設する予定だったが、高度経済成長で急増する宿泊施設の需要に対応する目的で急遽「ホテル」へ用途を変更した。3本の中廊下を120度の角度でY字型に組み合わせ、廊下の先端で同様の構造を持つ別棟を組み合わせたフラクタルな構造になっており、どの部屋からも外の景色が見えるようにするためのデザインになっていた。 住居の用途で使用する分には問題とならない構造であるが、不特定多数が利用する宿泊施設としては問題があった。初めて利用する宿泊客や外国人客には方向感覚が麻痺しやすく解りにくい特殊な構造であり、内部が迷路のような空間になることで火災発生時の避難行動に支障を生じさせる要因になった。さらに本件ホテルには非常口への誘導表示はあったものの、それらは役に立たなかった。延焼階には煙が充満し、停電も発生していたことから宿泊者が火災発生を覚知した時点で避難するには既に手遅れになっていた。視界は全く利かず、避難者は非常口を確認できなかった。
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